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AIで科学や研究はどう変わる?|ハサビス、今井翔太、アモデイ、落合陽一の発言を時系列で【20件】

4人・20件の発言

AIが科学や研究をどう変えるかについて、ハサビス氏、今井翔太氏、アモデイ氏、落合陽一氏が2023〜2026年に語ってきたことを時系列でまとめました。4人とも研究の加速を見込んでいますが、ハサビス氏・アモデイ氏は医療や創薬の短縮を、落合氏・今井氏は研究の自動化と「何を研究するか」を決める人間の役割を語っています。

4人の意見はこう分かれる

いちばん多く語っているのは、AlphaFoldでノーベル化学賞を受けたデミス・ハサビス氏です。新薬の開発を数年から数か月・数週間に縮められるかもしれないと語り(60 Minutes)、10〜15年後には科学の「新しい黄金時代」に入っていると予測しました(Fortune)。Anthropicのダリオ・アモデイ氏も、生物学・医療の50〜100年分の進歩を5〜10年に縮められる可能性を書いています(Machines of Loving Grace)。

日本の2人は研究の進め方に目を向けます。今井翔太氏は、研究の自動化が全分野に広がるのは10年後ぐらいと見通し(PIVOT 2024年2月)、日本の勝ち筋の1つはAI for Scienceで、研究室の非公開データは巨大テックもアクセスできないと述べました(ReHacQ 後藤達也氏と)。落合陽一氏は、AIが研究を自律的に進める時代に求められるのは「何が面白いか」を見極める力で、コスト削減だけに使うと面白いものは生まれにくいと話しています(ITmedia)。

ハサビス氏も、何が社会に良いかは技術では決まらないと述べており(RSA)、AIは研究を速めるが、何に向けるかは人が決めるという点で落合氏と重なります。

社長にとってのポイント

  • 今井氏の言う「非公開データ」の強みは、研究室だけでなく会社にも当てはまります。自社の実験記録・検査データ・試作の失敗記録などは、外のAI企業が持っていない資産として整理しておく価値があります。
  • 開発や品質改善にAIを使うときは、コスト削減だけでなく「新しく何を試せるか」を目標に置くと、落合氏の指摘に沿った使い方になります。
  • 医療・創薬の短縮はまだ予測の段階です。取引先や業界の動きとして追いかけつつ、自社の計画の前提にするのは実際の成果が出てからで十分です。

「科学・研究」の発言の時系列

2026年

  1. 2026年9月10日ごろ(発表は9月11日)・デミス・ハサビス・英王立技芸協会(RSA)アルバート・メダル受賞スピーチ(ロンドン)

    ハサビス「大切なのは技術で何をするか」|英RSA(2026年9月)

    英王立技芸協会(RSA)のアルバート・メダルを受けたスピーチです。Google DeepMind会長兼Alphabetチーフサイエンティストのハサビス氏は、AIは科学と医療を加速するが、何が社会に良いかは技術では決まらず、その答えは芸術や人文学から来るべきだと述べました。AIは人の創造性を引き出す道具として使うべきだとしています。

  2. 2026年8月19日・今井翔太・ReHacQ−リハック−【公式】(後藤達也氏と出演)

    今井翔太「日本の勝ち筋の1つは研究室の非公開データ」|ReHacQ(2026年8月)

    後藤達也氏との対談の2回目です。今井氏は、生成AIで収益が大きく伸びた新興ラボはほとんどなく、得をしているのはクラウド事業者と業界特化のサービスだと述べました。日本の勝ち筋の1つはAI for Scienceで、研究室の非公開データは巨大テックもアクセスできないとしています。

  3. 2026年6月30日・落合陽一・ITmedia NEWS(さくらインターネット 田中邦裕社長との対談、PR記事)

    落合陽一「『これが面白い』と決める力が要る」|ITmedia NEWS(2026年6月・PR)

    さくらインターネットが提供するPR記事で、同社の田中邦裕社長とAI for Scienceをテーマに対談しました。落合氏は、AIが研究を自律的に進める時代に研究者に求められるのは「何が面白いか」を見極める力だと述べ、AIをコスト削減だけに使うと面白いものは生まれにくいと話しました。

  4. 2026年6月18日・デミス・ハサビス・スタンフォード大学経営大学院(GSB)での対談(ジョナサン・レヴィン学長)

    ハサビス「今はシンギュラリティのふもと。規制は賢く素早く」|スタンフォード大学(2026年6月)

    スタンフォード大学経営大学院でのジョナサン・レヴィン学長との対談です。当時Google DeepMind CEOだったハサビス氏は、10年後に振り返れば今が「シンギュラリティのふもと」だったと分かるだろうと述べました。慎重な会社が負ける「底辺への競争」を心配し、素早く動く「賢い規制」を求めています。

  5. 2026年6月(本人サイトは月のみ表示)・ダリオ・アモデイ・本人サイトの小論「Policy on the AI Exponential」

    アモデイ「AI規制は航空当局(FAA)のような機関をモデルに」|本人の小論(2026年6月)

    AIの進歩と政策づくりのずれを論じた小論です。アモデイ氏は、透明性ルールだけでは足りず拘束力のある監督が必要になったと書き、AI規制は米連邦航空局(FAA)のように公開前の試験・監査を行う機関をモデルにすべきだと提案しました。

  6. 2026年2月11日・デミス・ハサビス・Fortune ポッドキャスト「Fortune 500: Titans and Disruptors of Industry」

    ハサビス「自分で壊さなければ他社に壊される」|Fortuneポッドキャスト(2026年2月)

    Fortuneのポッドキャストへの出演です。当時Google DeepMind CEOだったハサビス氏は、10〜15年後には科学の「新しい黄金時代」に入っていると予測しました。生成AIがGoogleの検索事業を壊しかねない「イノベーターのジレンマ」については、自分たちで壊さなければ他社に壊されると述べています。

2025年

  1. 2025年11月19日・今井翔太・テレ東BIZ「いまからサイエンス」

    今井翔太「動画生成AIはロボットの練習場になる」|テレ東BIZ いまからサイエンス(2025年11月)

    最新の研究を紹介する番組への出演です。今井氏は、生成AIは大量データによる事前学習の後に倫理観などを調整する段階があり、後者が自分の研究領域だと説明しました。動画生成AIは物理法則を教えなくても物理を再現するので、ロボットを仮想世界で学習させる「ワールドシミュレーター」になると述べています。

  2. 2025年11月16日・ダリオ・アモデイ・CBS「60 Minutes」(アンダーソン・クーパー)

    アモデイ「重大な決定を少数の企業が下すのは強い違和感」|CBS 60 Minutes(2025年11月)

    CBSの報道番組「60 Minutes」への出演です。アモデイ氏は、新人ホワイトカラー職への影響の見立てを維持しつつ、AIの重大な決定を少数の企業・少数の人が下していることに強い違和感があると語り、リスクを公表する理由を説明しました。

  3. 2025年8月4日・デミス・ハサビス・英Guardian(インタビュー)

    ハサビス「AIは産業革命の10倍の規模、10倍の速さ」|英Guardian(2025年8月)

    英Guardianのインタビューです。当時Google DeepMind CEOだったハサビス氏は、AIによる変化は産業革命の10倍の規模で、10倍速いかもしれないと述べました。安全に世に出せれば「徹底的な豊かさ」の世界になるが、公平な分配と、仕事や生きがいがどうなるかが大きな課題だとしています。

  4. 2025年7月23日・デミス・ハサビス・Lex Fridman Podcast

    ハサビス「2030年までにAGIの確率は50%」|Lex Fridman Podcast(2025年7月)

    レックス・フリードマン氏のポッドキャストへの出演です。当時Google DeepMind CEOだったハサビス氏は、今後5年以内(2030年まで)にAGIが来る確率は50%くらいと見積もりました。動画生成AIが「直感的な物理」を学んでいることや、細胞をまるごと再現する「仮想細胞」の目標も語っています。

  5. 2025年4月20日・デミス・ハサビス・CBS「60 Minutes」(聞き手スコット・ペリー)

    ハサビス「AGIは5〜10年。新薬開発は数か月に縮むかも」|60 Minutes(2025年4月)

    米CBSの報道番組「60 Minutes」への出演です。当時Google DeepMind CEOだったハサビス氏は、AGIは今後5〜10年で来ると思うと述べ、新薬の開発を数年から数か月・数週間に縮められるかもしれないと語りました。心配は悪用と制御の2つだとしています。

  6. 2025年2月14日・今井翔太・北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)BOOST-SPRING SYMPOSIUM

    今井翔太「研究の原点はゲーム」|JAISTシンポジウム(2025年2月)

    JAISTのシンポジウムで「生成AIで世界はこう変わる」と題して行った講演のレポートです。今井氏は、ゲームが研究の原点で強化学習が専門という経歴を紹介し、世界の第一線の研究者がどう考えているかを伝える趣旨で話しました。

2024年

  1. 2024年12月28日・落合陽一・本人のnote

    落合陽一「ASI/AGIに向けて研究の自動化を準備する」|本人note(2024年12月)

    ASI(人工超知能)・AGIの時代への準備を書いた本人のnoteです。落合氏は実験の自動化・研究の自動化・デジタルツイン・AIによる科学の自動進化の4つを挙げ、計算機に満ちた自然の中で探して見つけて作る「マタギドライブ」という知的生産のスタイルを示しました。

  2. 2024年11月20〜21日・デミス・ハサビス・慶應医学賞 授賞式・受賞記念講演、学生とのトーク(東京・慶應義塾大学)

    ハサビス「AIで科学の発見を加速する」|来日・慶應医学賞の記念講演(2024年11月)

    2024年11月に来日し、慶應医学賞の授賞式で記念講演「Accelerating scientific discovery with AI」を行いました。翌日の学生とのトークでは、神経回路の研究からAlphaFoldまでの歩みや、製薬会社との共同研究、創薬で人の研究者が担うべき役割について話しています。

  3. 2024年10月(サイト上に日付の表示なし。11日ごろと報じられている)・ダリオ・アモデイ・本人サイトのエッセイ「Machines of Loving Grace」

    アモデイ「強力なAIは早ければ2026年。医療の進歩は10倍速に」|本人エッセイ(2024年10月)

    AIがうまくいった場合の未来を描いた長文のエッセイです。アモデイ氏は、多くの分野でノーベル賞級の人を上回る「強力なAI」が早ければ2026年に来るかもしれないと書き、生物学・医療の50〜100年分の進歩を5〜10年に縮められる可能性を示しました。

  4. 2024年10月9日・デミス・ハサビス・ノーベル化学賞の受賞決定後の記者会見(ロンドン、PA通信配信)

    ハサビス「AIは良くも悪くも使える両用の技術」|ノーベル賞受賞会見(2024年10月)

    AlphaFoldでノーベル化学賞の受賞が決まった日の記者会見です。当時Google DeepMind CEOだったハサビス氏は、AIは人類にとってもっとも有益な技術の1つになり得る一方、悪意ある人に使われるおそれもある「両用」の技術だと述べました。

  5. 2024年2月26日・今井翔太・ReHacQ−リハック−【公式】

    今井翔太「超知能は人間には想像できない。アライメントが要る」|ReHacQ(2024年2月)

    東大松尾研の研究をテーマにした出演です。今井氏は、研究の3本柱を大規模言語モデル・拡散モデル・強化学習と紹介し、人間を超える超知能はそれ自体が危険で、AIに正しい価値観を持たせる「アライメント」をやるしかないと述べました。

  6. 2024年2月1日・今井翔太・PIVOT 公式チャンネル

    今井翔太「5年で肉体労働のAI、10年で研究が自動化」|PIVOT(2024年2月)

    生成AIの5年後・10年後をテーマにした出演です。今井氏は、5年ほどで肉体労働系のAIが出てきて、研究の自動化が全分野に広がるのは10年後ぐらいと見通しました。被害を受ける人は必ず出るので、ベーシックインカム級の議論が必要だとも述べています。

  7. 2024年1月29日・今井翔太・ビジネス+IT(書籍収録の対談を再構成)

    今井翔太×松尾豊「AIの影響は短期・中期・長期で分けて見る」|ビジネス+IT(2024年1月)

    著書『生成AIで世界はこう変わる』に収録された、指導教員の松尾豊氏との対談を再構成した記事です。今井氏は主に聞き手として、AIの影響を短期・中期・長期に分けて松尾氏に尋ねています。

2023年

  1. 2023年10月5日・落合陽一・NewsPicks「WEEKLY OCHIAI」(ゲスト:佐倉統 東京大学教授)

    落合陽一「日本は当たるか分からない投資が苦手」|WEEKLY OCHIAI(2023年10月)

    落合氏が司会を務める対談番組に、佐倉統氏を迎えた回です。落合氏は日本のベンチャー投資の弱点を2つ挙げ、論文を書く・先行研究を調べる力で大学教員を上回るAIが近いうちに出てくると述べました。

数字と発言は、それぞれの出典を開いて確かめたものだけを載せています。 予測は発言した人の見通しであり、そのとおりになることを保証するものではありません。 詳しくは各出典をご確認ください。

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