トロント大学名誉教授/「AIのゴッドファーザー」/2024年ノーベル物理学賞
ジェフリー・ヒントンのAI予測|「定型の事務はAIが置き換える。規制に残された時間は1年」
見通し:警戒最終更新 2026年10月13日
いまのAIの土台を築いた研究者で、2024年にノーベル物理学賞を受賞。2023年にGoogleを辞めてからは、AIの危険性を最もはっきり発言する一人です。ここで紹介する10人の中でいちばん警戒寄りの立場です。
ひとことで言うと
「AIの恩恵は大きい。ただし、仕事の置き換え・格差・制御できなくなる危険が、想定よりずっと早く来ている」。年を追うごとに警告の時間軸が短くなっています。
どんな仕事が置き換わるか
はっきり分けて話しています。
| 仕事の例 | |
|---|---|
| 置き換わる | パラリーガル(法律事務の補助)、コールセンターなど、定型的な知的作業 |
| 当面は安全 | 配管工など、体を使う仕事(「配管工になるのは良い賭けだ」) |
| 比較的安全 | 医療(需要が増えるため) |
出典:ポッドキャスト「The Diary of a CEO」(2025年6月16日公開)を伝えたLegal Cheek
2025年12月には、AIがこなせる作業の長さは約7か月ごとに2倍になっていると指摘しました。数年後には、何か月もかかるソフト開発も少ない人数で済むようになる、という見方です。
出典:米CNNの番組での発言を伝えたFortune(2025年12月28日)
経済と格差
AIで生産性が上がった恩恵を公平に分け合えるなら、人類全体の大きな前進になる、と評価しています。ただし、これは条件付きです。
出典:ノーベル賞晩餐会でのスピーチ(2024年12月10日)
実際には、お金のある側がAIで人を置き換えれば、大量の失業と利益の急増が同時に起きると見ています。それは「AIのせいではなく、資本主義の仕組みのせいだ」と述べています。また、ベーシックインカム(全員に一定のお金を配る仕組み)では、働くことで得ていた人の尊厳までは取り戻せない、とも指摘しています。
出典:英Financial Timesのインタビューを伝えたFortune(2025年9月6日)
リスクと規制
- AI企業は、計算に使う資源の3分の1程度を安全の研究に回すべきだと主張しています。大手が規制を減らす方向に動いていることも批判しています
- 出典:CBSニュース(2025年4月)
- 人間がAIを支配し続けるという発想は通用しなくなる、と見ています。代わりに、超知能に「人を大切にする性質」を持たせる研究が必要だと提案しています。ただし、その方法はまだ分かっていないことも認めています
- 2026年9月には米上院議員向けの説明会で、議会が安全策を作れる時間は「せいぜい1年」と警告しました。研究者たちの超知能の到来予測は「30〜50年後」→「10〜20年後」→「数年後」と縮んできた、とも紹介しています
- 出典:NBC(2026年9月17日)
言っていることの変化
- 警告の向きは一貫しているが、強さと切迫感が年々増している
- 2025年末には「Googleを辞めたときより、心配は増した」と話している
社長が受け取れること
- 定型の事務・入力・電話応対は、AIに置き換わる最初の領域。自社の業務のうち、どこが「定型の知的作業」かを洗い出しておくと、AIを入れる順番が決まる
- 置き換えで浮いた人と時間をどう使うかは、会社の判断で決まる。ヒントン氏の言う「分け合い方」は、社内では社長が決めることになる
情報は2026年10月13日時点のものです。数字と発言は、それぞれの出典を開いて確かめたものだけを載せています。 予測は発言した人の見通しであり、そのとおりになることを保証するものではありません。 詳しくは各出典をご確認ください。
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