AGIはいつ来る?|AIの第一人者10人の予測を発言の日付順に並べた【毎月更新】
最終更新 ·長谷川 桂介
AGI(人間並みのAI)はいつ来るのか。イーロン・マスク氏、サム・アルトマン氏、ダリオ・アモデイ氏、デミス・ハサビス氏、今井翔太氏、落合陽一氏ら10人の発言を日付順に並べました。2026年の最新の見立ては「2026年末」から「2030年より少し後」までで、10年以上先と言う人はいません。ただし「AGI」の意味は人によって違います。
人ごとのいちばん新しい予測(期限の早い順)
結論:10人の見立て
それぞれの、いちばん新しい見立てです(期限の早い順)。かっこ内は発言の時期で、リンク先に発言の中身と出典があります。
- サム・アルトマン氏:年末(2026年末)までに、自分がAGIと呼ぶ社内システムができると見込んでいる(2026年8月)
- 落合陽一氏:年末までにプログラミング分野で誰かが「AGI」を宣言し、来年初めまでにはどこかがAGIと言い出しそう(2026年3月)
- イーロン・マスク氏:AIは2027年末、遅くとも2028年にはあらゆる分野で人間を上回る(2026年9月)
- ダリオ・アモデイ氏:「データセンターの中の天才の国」は1〜3年以内、感覚的には1〜2年に近い(2026年2月)
- ジェンスン・フアン氏:「人間向けのあらゆる試験に合格する」と定義するなら5年ほど、2029年ごろ(2024年3月)。2026年3月には、聞き手の定義なら「AGIは達成したと思う」と答えている(2026年3月)
- デミス・ハサビス氏:AGIはおおむね2030年ごろ、2029年もあり得る(2026年5月)
- 今井翔太氏:2030年前後という見方は変わっておらず、早まってもおかしくない(2026年8月)
- スンダー・ピチャイ氏:2030年までには完全には届かない。2030年より少し後(2025年6月)
- マーク・ザッカーバーグ氏:時期は言い切らない。超知能の到来は「数年」から「5〜7年以上」まで意見が分かれるとし、最も早い場合に備えて計算資源を前倒しで作る(2025年10月)
- サティア・ナデラ氏:時期は示さない。自社で「AGI達成」を宣言するのは意味がなく、本当の物差しは世界の経済が年10%成長するかどうかだ(2025年2月)
時期を示した8人の見立ては、2026年末から2030年より少し後までに収まっています。「まだ何十年も先」と言う人は、この10人の中にはいません。
10人のうち8人は、AIをつくる会社や、AIに大きく投資している会社のトップです。時期の見立てには、自社の事業への期待が含まれていることを踏まえて読んでください。
予測はどう動いてきたか
2022〜2023年:まだ幅が大きかった
落合氏は2022年11月、人間より賢いコンピューターが多数出てくるのは2025年ごろで、2040年と言われていたシンギュラリティがかなり早まると述べました(2022年11月)。マスク氏は2023年11月に「最も賢い人間より賢いAIまで3年を切っている」と述べ(2023年11月)、フアン氏は同じ月に「試験をこなすAIなら今後5年」としました(2023年11月)。
2024年:「来年」と「10年以内」が並んでいた
マスク氏は「来年(2025年)、遅くとも2年以内」と言い(2024年4月)、アモデイ氏は「早ければ2026年」(2024年10月)、ハサビス氏は「10年以内にAGIに近いシステムが出ても驚かない」(2024年2月)でした。同じ年の発言でも、5年以上の開きがあったことになります。
2025〜2026年:早い予測は後ろへ、遠い予測は手前へ
ここから、2つの動きが同時に起きています。
- 早めに言っていた人は、少しずつ後ろへ。 マスク氏は「2025年」→「2026年末、遅くとも2027年末」(2026年1月)→「2027年末、遅くとも2028年」(2026年9月)と、1年ずつ言い直しています。アモデイ氏も「早ければ2026年」から「1〜2年先」(2026年1月)へ移りました
- 遠めに言っていた人は、手前へ。 ハサビス氏は「5〜10年」(2025年3月)から、「2030年までに50%」(2025年7月)、「おおむね2030年ごろ、2029年もあり得る」(2026年5月)と、幅の早い側に寄せてきました。アルトマン氏も「この10年の終わりまで」(2024年3月)、「数千日以内」(2024年9月)から、2026年8月には「年末までに」と語っています(言葉は「かなり有能なシステム」「超知能」「AGI」と回ごとに違います)
研究者全体の見立ても動いています。今井氏によると、2021年ごろの研究者のAGI予想は2070年代でしたが、ChatGPT以降に大きく前倒しされ、チューリング賞を受けた3人の予想の平均は2030年ごろです(2026年7月)。
その結果、2026年の見立ては2026年末〜2030年ごろに集まってきています。
そもそもAGIとは
「AGI」の意味は、人によってかなり違います。同じ「2030年」でも、指しているものが違うことに注意が必要です。
| 人 | 何をAGI(またはそれに近いもの)と呼んでいるか |
|---|---|
| マスク氏 | 最も賢い人間より賢いもの(2024年4月)。例としてJ・K・ローリング並みの小説を書く、新しい物理を発見する(2023年11月) |
| アルトマン氏 | 経済的に価値のあるほとんどの仕事で人間を上回るAI(OpenAIの定義。2025年8月) |
| アモデイ氏 | 「AGI」より「強力なAI」という言葉を使う。多くの分野でノーベル賞級の人を上回るAIが大量に動く「データセンターの中の天才の国」(2024年10月) |
| ハサビス氏 | 人間の認知能力をすべて(本当にすべて)示せるシステム。足りないのは、少ない例から学ぶ力、学び続ける力、長期の記憶、推論と計画(2026年1月) |
| フアン氏 | 定義次第。試験に合格することなら5年ほど、人の心のしくみまで含めるなら科学者の合意がない(2024年3月) |
| ザッカーバーグ氏 | AGIは一度に来るのではなく、推論・記憶などの能力が段階的に積み上がる(2024年4月)。超知能は、あらゆる面で人間の知能を超えるAI(2025年7月) |
| ナデラ氏 | 「AGI達成」の宣言より、経済成長で測るべき(2025年2月) |
| ピチャイ氏 | 今のAIは、すごく進んだ面と簡単なことで失敗する面が混ざった「AJI(でこぼこな人工知能)」(2025年6月) |
| 今井氏 | 研究者は「今の仕組み(トランスフォーマー)で届く派」と「届かない派」に分かれている(2026年9月)。賢いことと、社会で便利であることは別(2026年8月) |
フアン氏の例が分かりやすいでしょう。同じ人が、定義によって「5年後」とも「もう来た」とも答えています。年の数字は、定義とセットで読むのが安全です。
社長はどう備えるか
- 「AGIが来たか」より「自社のどの仕事が終わるようになったか」で測る。 定義が人によって違う以上、ニュースの「AGI達成」に一喜一憂しても得はありません。見るべきは、自社の書類づくり・問い合わせ対応・調べものが、どれだけAIで片付くようになったかです
- 今のAIで任せられることから渡していく。 今井氏は、AIエージェントが得意なのは結果を確かめられる仕事だと述べています(2026年9月)。AGIを待つ必要はなく、今の道具で得られる分は今日から取りにいけます
- 計画は1年ごとに見直す。 10人の見立ては、1年たつと1〜2年動くことがあります。「2030年に来るから、それまでは様子見」と決め打ちせず、毎年、その時点の道具で何ができるかを確かめ直すのが現実的です
- 人を減らす前提ではなく、同じ人数でできることを増やす前提で考える。 アモデイ氏も、企業には「人を減らしてコストを下げる」以外に「同じ人数でもっと多く生み出す」選択肢があると述べています(2026年5月)。時期がいつであっても、AIを早く使い始めた会社ほど、浮いた時間を売上につながる仕事に回せる期間が長くなります
AGIの予測を発言の日付順に(35件)
- ・落合陽一
「人間より賢いコンピューターが多数出てくるのは2025年ごろ(2040年と言われていたシンギュラリティがかなり早まる)」
期限:2025年ごろ判定できない「人間より賢い」の基準には世の中の合意がありません。本人は2025年11月に、AIの知能はすでに人間の中央値を大きく上回っていると述べています。
「超知能(人間より賢いAI)は5〜6年で来る(2028〜2029年ごろ)」
期限:2028〜2029年ごろ期限前期限前。この数字は報道による言い換えで、本人の言葉そのものではありません。
「教養ある人と1時間話しても見分けがつかないレベルのモデルは、2〜3年で出てくるかもしれない(安全面での減速や規制がなければ)」
期限:2025〜2026年期限前期限前。「見分けがつかない」をどう確かめるかは示されていません。
「AGIを『人間の知能とかなり張り合える水準でテストをこなすコンピューター』と定義するなら、今後5年でそうしたAIが出てくる」
期限:2028年ごろまで期限前期限前。2026年3月には、聞き手の定義(AIが10億ドル企業を立ち上げて動かせたら)なら「AGIは達成したと思う」と答えており、定義で答えが変わることを示しています。
「どの分野でも最も賢い人間より賢いAIまで、3年を切っている(2026年ごろまで)」
期限:2026年ごろまで本人が言い直し同じ場で本人は「時間軸には楽観的」と認めていました。2026年9月には「来年(2027年)末、遅くとも2028年にはあらゆる分野で人間を上回る」と書き、時期を後ろにずらしています。
「今後10年以内にAGIに近いシステムが出ても驚かない」
期限:2034年まで期限前期限前。DeepMindは2010年に「20年計画」で始め、ほぼ計画どおりに進んでいるとも述べています。
「AGIを『人間向けのあらゆる試験に合格すること』と定義するなら、5年ほど(2029年ごろ)で達成できる」
期限:2029年ごろ期限前期限前。別の定義なら、人の心のしくみに科学者の合意がないので、もっと遠いかもしれないとも述べています。
「2029年までに、AIは全人類を合わせたより賢くなるだろう」
期限:2029年まで本人が言い直し期限はまだ先ですが、2026年1月のダボス会議では「2030〜2031年ごろ」と述べ、1〜2年後ろにずらしています。
「AIは来年(2025年)、どの個人の人間よりも賢くなるだろう」
期限:2025年本人が言い直し2026年1月のダボス会議で「今年(2026年)末まで、遅くとも来年(2027年)末まで」と言い直しています。「人間より賢い」の基準には世の中の合意がありません。
「この10年の終わりまでに、もしかするともう少し早く、かなり有能なシステムができるだろう」
期限:2020年代の終わり(2030年ごろ)まで期限前期限前。2026年8月には、年末までに自分がAGIと呼ぶ社内システムができると見込んでいると語っています(言葉が違うため別の予言として扱っています)。
「AGIを『最も賢い人間より賢いもの』と定義するなら、来年(2025年)、遅くとも2年以内に来る」
期限:2025〜2026年本人が言い直し2026年10月時点では「遅くとも」の期限前です。本人は2026年1月に「2026年末、遅くとも2027年末」と言い直しています。
- ・今井翔太
「5年後には、ホワイトカラー的な能力はほぼすべて人間を超え(知識は博士号レベル)、肉体労働もかなりの部分ができ、デジタルで完結する研究は相当部分が自動化される」
期限:2029年ごろ本人が言い直し本人は2025年6月に、この「5年後」の予想のうち2つは6日後と1か月後に実現してしまったと話しています(どの2つかは、発言録では特定されていません)。
「超知能が数千日以内にできるかもしれない(もっとかかる可能性もある)」
期限:数千日以内(2,000日なら2030年ごろ)期限前「数千日」を2,000日とみて、期限を2030年末に置きました。2026年2月には「本物の超知能の初期版まで、あと数年かもしれない」と述べています。
「多くの分野でノーベル賞級の人を上回る『強力なAI』が、早ければ2026年に来るかもしれない」
期限:早ければ2026年本人が言い直し2026年1月の論考では「1〜2年先かもしれない」と書き、2026年2月には「1〜3年以内、感覚的には1〜2年」と述べています。
「AIは1〜2年以内に、人間ができることは何でもできるようになるかもしれない」
期限:2025〜2026年本人が言い直し2026年8月には、範囲を「物理的な作業を必要としないデジタルの仕事」に絞り、時期を「来年(2027年)末まで」としています。
「このままの伸びが続けば、強力なAIには2026〜2027年ごろに届く計算になる」
期限:2026〜2027年期限前期限前。2026年に入ってからの見立て(1〜2年先、1〜3年以内)にも2027年は含まれています。
「2025年は、AIの進歩が難しくなる(簡単に取れる成果は取り尽くした)」
期限:2025年判定できない「難しくなる」は測り方が示されておらず、判定できません。本人も、推論や一連の操作をこなす力は伸びていくと見ていました。
- ・今井翔太
「多くの研究者と同じく、AGIは2030年頃までに出てくると見ている(体を動かす作業は見通せない)」
期限:2030年ごろまで期限前期限前。2025年3月、2026年2月、2026年8月にも「2030年ごろ」という見方を繰り返しています。
- ・落合陽一
「AGIっぽくなるのは2025年の終わりごろ(2024年からの見立てで、その匂いがしてきた)」
期限:2025年の終わりごろ判定できない「AGIっぽい」の基準がなく、判定できません。2026年3月には、年末までにプログラミング分野で誰かがAGIを宣言しそうだと述べています。
「AIの能力は2026〜2027年に来る可能性があり、遅くとも2030年までにはほぼ確実に来る」
期限:2026〜2027年(遅くとも2030年)期限前期限前。
「AGI(人間ができる複雑な能力をすべて示せるシステム)は今後5〜10年で現れ始める」
期限:2030〜2035年期限前期限前。2026年1月にも「5〜10年」と述べ、2026年5月には「おおむね2030年ごろ、2029年もあり得る」と、幅の早い側に寄せています。
「人間並みの汎用AI(AGI)は、2030年までには完全には届かない。2030年より少し後」
期限:2030年より少し後期限前「少し後」を2031年末として期限を置きました。今のAIを、すごく進んだ面と簡単なことで失敗する面が混ざった「AJI(でこぼこな人工知能)」と呼んでいます。
- ・落合陽一
「AIは今『大学院生より賢い』程度で、全人類より賢くなるのは2027年あたり」
期限:2027年ごろ期限前期限前。
「AGIが今後5年以内(2030年まで)に来る確率は50%くらい」
期限:2030年まで(確率50%)期限前期限前。確率で示した予測なので、来なくても外れとは言い切れません。
- ・落合陽一
「早ければ2026年、遅くとも2030年には、AIが文明の進展を自律的に進め始める」
期限:2026〜2030年期限前期限前。
「AGIには2026年に到達すると思う」
期限:2026年期限前期限前。この回ではAGIの定義は示されていません。
「2030〜2031年ごろには、AIが全人類を合わせたより賢くなる」
期限:2030〜2031年ごろ期限前期限前。2024年3月には「2029年まで」、2025年2月には「2029〜2030年」としていました。
「どの人間よりも賢いAIが、今年(2026年)末までに、遅くとも来年(2027年)末までにできるかもしれない」
期限:2026年末〜2027年末本人が言い直し2026年9月には「来年(2027年)末、遅くとも2028年にはあらゆる分野で人間を上回る」と書き、遅い方の期限を1年後ろにしています。
「『データセンターの中の天才の国』は1〜3年以内、感覚的には1〜2年に近い」
期限:2027〜2029年期限前期限前。10年以内なら9割の確信があるとも述べています。発言録の中で、アモデイ氏のいちばん新しい時期の見立てです。
- ・今井翔太
「5〜10年ほどで、人間の仕事のほぼすべてを実行できるAGIが実現する」
期限:2031〜2036年期限前期限前。同じ月の文部科学省の会議では「近い将来(2030年ごろ)」と述べており、場によって幅があります。
- ・落合陽一
「年末までにプログラミング分野で誰かが『AGI』を宣言し、来年初めまでにはどこかがAGIと言い出しそう」
期限:2026年末〜2027年初め期限前期限前。2026年8月、アルトマン氏は年末までに自分がAGIと呼ぶ社内システムができると見込んでいると語っています。発言録の中で、落合氏のいちばん新しい時期の見立てです。
「AGIはおおむね2030年ごろ、2029年もあり得る」
期限:2029〜2030年ごろ期限前期限前。業界が正しい技術の道筋を見つけたという自信が深まっている、と理由を述べています。発言録の中で、ハサビス氏のいちばん新しい時期の見立てです。
「OpenAIはまだAGIにあと少し届いていないが、年末までに自分がAGIと呼ぶ社内システムができると見込んでいる」
期限:2026年末まで期限前期限前。本人の見込みで、外部の検証はありません。発言録の中で、アルトマン氏のいちばん新しいAGIの時期の見立てです。
- ・今井翔太
「AGIが2030年前後という見方は変わっておらず、早まってもおかしくない」
期限:2030年前後期限前期限前。発言録の中で、今井氏のいちばん新しい時期の見立てです。
「AIは来年(2027年)末、遅くとも2028年にはあらゆる分野で人間を上回る」
期限:2027年末〜2028年期限前期限前。発言録の中で、マスク氏のいちばん新しいAGIの時期の見立てです。
ほかのテーマの予言も含めた一覧は → 予言の答え合わせ
情報は2026年10月18日時点のものです。数字と発言は、それぞれの出典を開いて確かめたものだけを載せています。 予測は発言した人の見通しであり、そのとおりになることを保証するものではありません。 詳しくは各出典をご確認ください。
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