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時短術使うもの:会計ソフト+ChatGPT/Claude真似する時間:1時間

経理の作業をAIで減らす方法|領収書の読み取り・仕訳の下書き・入金の突き合わせが早く終わる手順【中小企業向け】

2026年10月18日·長谷川 桂介

電卓とノートパソコンで経理の作業をする手元
写真:Wilfred Iven(StockSnap・CC0)

この記事で手に入るもの

  • 経理の作業のうち、AIに任せやすいものと任せてはいけないものの線引き
  • 会計ソフトのAI機能でできること(一般論)
  • 領収書の読み取り、仕訳の下書き、入金の突き合わせに使える頼み方の文面

中小企業の経理は、1〜2人で回していることが多いと思います。月末や決算の前になると、領収書の整理、請求書の入力、入金の確認で手がいっぱいになります。

こうした作業の多くは、「書類を読んで、決まった形に写す」仕事です。ここは、AIが得意なところです。

ただし、経理には「AIに任せてはいけないところ」もはっきりあります。この記事では、その線引きをしたうえで、すぐに使える手順を紹介します。

AIに任せやすいこと、任せてはいけないこと

AIに下書きさせてよい 人が判断する(専門家に確認する)
領収書・請求書から、日付・金額・取引先を読み取る 経費にしてよいかどうか
勘定科目の候補を出す 税金の扱い(消費税の区分、損金にできるか)
入金の明細と請求の一覧を突き合わせる 決算の数字、申告の内容
取引先への確認メールの下書き 書類の保存方法が決まりに合っているか

右側は、税理士など専門家に確認してください。AIは、もっともらしい答えを返しますが、税金の判断に責任を持ってはくれません。

まずは会計ソフトのAI機能を使う

経理でAIを使うなら、最初に見てほしいのは、いま使っている会計ソフトの機能です。クラウドの会計ソフトの多くには、すでにAIを使った機能がついています。

たとえば、公式ページでは次のように案内されています(確認日:2026年10月18日)。

  • freee会計:自動で取り込んだ明細について、「freeeが適した勘定科目を予測し記帳します」(出典:freee「自動で経理」の解説)
  • マネーフォワード クラウド会計:「AIが適切な勘定科目を提案。使うほど精度が向上。」、AI-OCRで「ファイルをアップロードするだけでAIが仕訳を作成。」(出典:マネーフォワード クラウド会計の機能)
  • 弥生会計:「スマート取引取込」で、銀行やカードの明細、領収書などを取り込んで仕訳を自動で作り、勘定科目などを直すと次から反映される学習機能がある。利用には「あんしん保守サポート」への加入が必要(出典:弥生 サポート情報「スマート取引取込」)

どのソフトも、だいたい次の3つの流れでできています。

  1. 銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込む
  2. 領収書や請求書を撮影・アップロードすると、文字を読み取る
  3. 取り込んだ取引に、勘定科目の候補をつけて仕訳の下書きを作る。人が直すと、次から直した内容が反映される

使えるプランや追加の料金は、ソフトや契約によって違います。使う前に、各社の公式ページかサポートで確かめてください。

会計ソフトのAI機能を使うだけで、手入力はかなり減ります。ChatGPTやClaudeは、その外側の作業、つまり会計ソフトに入れる前の整理や、ソフトでは難しい確認作業に使うと役に立ちます。

手順1:領収書・請求書の中身を読み取ってもらう

ChatGPTやClaudeは、写真を読み込めます(ChatGPTの無料版では、画像のアップロードに別枠の利用上限があります。確認日:2026年10月18日、出典:OpenAI ヘルプ「ChatGPT の無料プラン」、Claude ヘルプ「ファイルのアップロード」)。

領収書の写真を何枚か貼り付けて、次のように頼みます。

添付した領収書の写真から、次の項目を読み取って表にしてください。

列:日付/支払先/金額(税込)/内容(何を買ったか)/読み取れなかった項目

・読み取れない文字や、かすれている数字は推測しないで「読めない」と書いてください
・金額は数字だけで書いてください(例:3300)
・1枚に複数の領収書が写っていたら、それぞれ別の行にしてください

できた表は、会計ソフトに入れる前の「確認用の一覧」として使います。金額は、必ず元の領収書と照らし合わせてください。数字の読み間違いは、AIでも起きます。

手順2:仕訳の下書きと、勘定科目の候補を出してもらう

会計ソフトの候補で迷ったときや、慣れない取引のときは、AIに候補とその理由を出してもらうと、確認が早くなります。

中小企業の経理担当です。次の取引について、勘定科目の候補を2つまで挙げ、
それぞれの理由を1行で書いてください。
迷う点や、税理士に確認したほうがよい点があれば、最後にまとめてください。

【取引】
・【取引先との打ち合わせのための飲食代 8,800円】
・【社員5人の研修で使った会議室の利用料 22,000円】
・【会社のホームページのサーバー代 1年分 13,200円】

ここで出てくるのは、あくまで候補です。会社ごとに使っている勘定科目の決まりがあるので、最後は自社のルールと、税理士の判断に合わせてください。

「税理士に確認したほうがよい点」をAIに書かせておくと、税理士に聞くことのメモにもなります。

手順3:入金の明細と請求の一覧を突き合わせる

月末に時間がかかるのが、「どの請求が入金済みで、どれがまだか」の確認です。銀行の入金明細と、請求書の一覧をそれぞれ表計算ソフトから文字でコピーして、AIに渡します。

次の「請求の一覧」と「入金の明細」を突き合わせてください。

結果を次の3つに分けて表にしてください。
1. 入金済み(請求と入金の金額が一致するもの)
2. 金額が合わないもの(振込手数料の差し引きと思われるものは、その旨を書く)
3. まだ入金がないもの

・入金の名義は、会社名がカタカナや略称になっていることがあります。似ている名義は「候補」として書き、確定させないでください
・どちらにも当てはまらない入金があれば、最後に一覧にしてください

【請求の一覧】
(取引先名、請求額、支払期限をここに貼る)

【入金の明細】
(入金日、名義、金額をここに貼る)

「似ている名義は確定させない」と頼むのがコツです。名義が違う会社を同じ会社だと決めつけると、入金の確認漏れにつながります。

まだ入金がない取引先には、メールの返信をAIで下書きする方法で紹介している「催促」の頼み方で、確認のメールを下書きできます。

手順4:月末の作業を一覧にしてもらう

毎月同じ作業をしているなら、手順書の下書きもAIに作ってもらえます。

私は中小企業の経理担当です。毎月の締めで、次の作業をしています。
これを、引き継ぎに使える手順書にしてください。
作業の順番、使う道具、よくある間違いを、それぞれ書いてください。

【作業のメモ】
(思いつくままに箇条書きで貼る)

手順書があれば、担当者が休んだときにも困りません。

気をつけること

個人情報・機密

経理の書類には、取引先の口座番号、社員の給与、お客様の名前など、外に出してはいけない情報が多く入っています。

  • 無料版や個人向けのプランでは、入力した内容がAIの改良に使われる設定になっていることがあります。ChatGPTは「すべての人のためにモデルを改善する」の設定でオフにできます(確認日:2026年10月18日、出典:OpenAI ヘルプ「データコントロールに関する FAQ」)
  • 給与の明細や、口座番号の入った書類は、ChatGPTやClaudeに貼らないと決めておくのが安全です
  • 領収書や請求書の読み取りは、できるだけ会計ソフトの中の機能で済ませます

AIは間違える

数字の読み間違い、勘定科目の取り違えは、AIでも人でも起きます。AIの場合は、間違いでも自信ありげに答えるところが要注意です。合計金額を元の書類と比べる、件数を数える、といった確認は毎回してください。

税金・保存方法の判断は専門家に

  • 経費にできるか、消費税をどう扱うかといった判断は、AIに任せず税理士に確認してください
  • 領収書や請求書の保存方法には、電子帳簿保存法の決まりがあります。メールなどで受け取った請求書や領収書のデータは、電子データのまま保存することが求められています(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」、確認日:2026年10月18日)。自社のやり方が決まりに合っているかは、税理士か国税庁の案内で確かめてください

道具の選び方

順番は、次のとおりです。

  1. いま使っている会計ソフトのAI機能を確かめる:明細の自動取り込み、領収書の読み取り、勘定科目の候補。追加の費用なしで使える機能があるかもしれません
  2. 会計ソフトでは難しい作業に、ChatGPTやClaudeを使う:入金の突き合わせ、取引先への確認メール、手順書の下書き
  3. 会計ソフトを替えるかどうかは、最後に考える:替えると、過去のデータの移し替えや、税理士とのやりとりの方法も変わります。顧問の税理士に、使い慣れたソフトを聞いてから決めるのがおすすめです

会計ソフトを比べるときは、次の点を見てください。

  • 使っている銀行やクレジットカードと連携できるか
  • 領収書や請求書の読み取りが、今のプランに含まれているか、追加の料金がかかるか
  • 顧問の税理士がそのソフトに対応しているか

料金と機能は変わるので、必ず各社の公式ページで最新の内容を確かめてください。

まとめ

  • 経理でAIに任せやすいのは「書類を読んで、決まった形に写す」作業。税金の判断は税理士に確認する
  • まずは、いま使っている会計ソフトのAI機能を使う
  • ChatGPTやClaudeは、領収書の読み取りの確認、勘定科目の候補出し、入金の突き合わせに使う
  • 「読めない数字は推測しない」「似ている名義は確定させない」と頼み、数字は必ず元の書類と照らし合わせる

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