フィジカルAIとは?ロボットはいつ働く?|マスク、フアン、今井翔太、落合陽一の発言を時系列で【32件】
4人・32件の発言
現実の世界で体を動かすAI(フィジカルAI・ロボット)について、マスク氏、フアン氏、今井翔太氏、落合陽一氏が2023〜2026年に語ってきたことを時系列でまとめました。マスク氏とフアン氏は巨大な市場を語る一方で難しさも認め、日本の2人は工場・建設・介護など用途を絞った現場から進むと見ています。フアン氏と今井氏は、日本の製造業の強みにも触れています。
4人の意見はこう分かれる
いちばん大きな数字を語るのはテスラのイーロン・マスク氏です。人型ロボットの市場は年10億台規模だと述べ(テスラ株主総会 2024年)、テスラの価値の約80%はOptimusになると書きました(X投稿)。一方で市場に出すのは「とてつもなく難しい」とも認めています(決算説明会 2025年10月)。2024年6月には2025年に工場で千台以上が働くと述べていましたが、2026年4月には生産開始を7月下旬〜8月ごろと想定しています(決算説明会 2026年4月)。
NVIDIAのジェンスン・フアン氏は「AIの次の波はフィジカルAIだ」と述べ(COMPUTEX 2024)、2026年1月には「ロボットのChatGPTの瞬間」は「ほぼ来た」とやや慎重に語りました(CES 2026)。ロボットAI革命を率いるのに日本以上の国は思いつかないとも述べています(AI Summit Japan)。
今井翔太氏も、製造現場のデータはビッグテックも手に入れられないので日本はフィジカルAIで恵まれていると述べ(NIKKEI NEWS NEXT)、家庭用より工場・建設・危険作業が先になると見ています(PIVOT 2026年8月)。落合陽一氏は、介護の移動などは万能ヒューマノイドより「乗り物系」の機器で解決しそうだと述べました(PIVOT提供番組)。
社長にとってのポイント
- 人型ロボットの大きな予測は、時期が後ろにずれることが多い分野です。設備投資の計画は、すでに動いている用途を絞った機器(搬送・検査・移動補助など)から検討すると判断しやすくなります。
- 今井氏・フアン氏が言う「製造現場のデータ」は中小の工場にもあります。作業記録・不良の記録・設備の稼働データを残しておくと、のちにロボットやAIを入れるときの材料になります。
- 介護・建設・危険作業など人手が足りない現場ほど、用途を絞った機器が先に入ると見られています。自社の現場で「人が足りない作業」を一覧にしておくと、導入の順番を決めやすくなります。
「ロボット・フィジカルAI」の発言の時系列
2026年
2026年10月13日・今井翔太・PIVOT 公式チャンネル「マーケット超分析」前編(木野内栄治氏と出演)
今井翔太「ロボットは日本が強みを出せる分野」|PIVOT マーケット超分析(2026年10月)木野内栄治氏の相場解説が中心の番組で、今井氏はAI業界の動きを解説しました。OpenAIやAnthropicは慢性的な計算資源不足で新型GPUを大歓迎していると述べ、日本のAIベンチャーで独自のAIを作っている会社はほぼないとする一方、ロボットは日本が強みを出せる分野だとしています。
2026年9月27日・落合陽一・PIVOT「& questions」(ヤマシタ提供の協賛番組。共演:ヤマシタ 山下和洋社長)
落合陽一「安全管理や会話は、実はAIが得意な側」|PIVOT提供番組(2026年9月)介護用品のヤマシタが提供する協賛番組で、同社の山下和洋社長と高齢化社会とロボットの未来を語った出演です。落合氏は、介護の立ち座り・移動は万能ヒューマノイドより「乗り物系」の機器で解決しそうと述べ、機器の安全管理や会話は実はAIが得意な側だと話しました。
2026年9月23日・今井翔太・テレ東BIZ「NIKKEI NEWS NEXT」
今井翔太「日本は製造データでフィジカルAIに恵まれる」|NIKKEI NEWS NEXT(2026年9月)フィジカルAIとAI開発の減速論をテーマにしたテレビ出演です。今井氏は、言語・画像のAIは資金力の勝負で日本は勝てないが、製造現場のデータはビッグテックも手に入れられないので、製造業が強い日本はフィジカルAIで恵まれていると述べました。人類滅亡を今の時点で規制に反映させるのはやりすぎだとしています。
2026年8月29日・今井翔太・PIVOT 公式チャンネル(山本泰士氏と出演)
今井翔太「無人島で役に立たない仕事は残りやすい」|PIVOT(2026年8月)山本泰士氏との対談です。今井氏は、AIに奪われにくいのは「無人島で役に立たない仕事」(漫画・アニメなど)で、この点で日本には強みがあると述べました。家庭用ロボットは家ごとの事情が違うので難しく、工場・建設・危険作業が先になるとしています。
2026年7月22日・イーロン・マスク・テスラ 2026年4〜6月期 決算説明会(Not a Tesla Appの要約)
マスク「Optimusは最も難しい課題の一つ」|テスラ決算説明会(2026年7月)専門媒体の要約によると、マスク氏はテスラの決算説明会で、Optimusはテスラ最大の製品になると今も信じているが、工学的にもAIの面でも最も難しい課題の一つだと述べました。会社としては、監督なしのロボタクシーが7都市圏に広がったと報告しています。
2026年7月15〜16日・ジェンスン・フアン・日本政府のフィジカルAI立ち上げ式典、ロボット各社との提携発表(東京)
フアン「日本は現代の製造業を発明した」|来日・日本政府のフィジカルAI式典(2026年7月)2026年7月に来日したフアン氏は、日本政府のフィジカルAI立ち上げの場に赤沢経産相と登壇し、約44社が参加する国策会社「Noetra」の国家AI基盤づくりへの協力が発表されました。ファナック・安川電機・川崎重工・富士通などとの提携も示し、「日本は現代の製造業を発明した」と述べています。
2026年6月1日・ジェンスン・フアン・NVIDIA GTC Taipei(COMPUTEX 2026)基調講演
フアン「顧客が欲しいのはコンピューターでなくAI工場」|GTC Taipei(2026年6月)2026年6月、台北のGTC Taipeiの基調講演で、フアン氏は顧客はコンピューターを買いたいのではなく「AI工場」を作りたいのだと述べました。個人のエージェント向けの新しいWindows PC「RTX Spark」を発表し、「40年ぶりのPCの作り直し」と表現しています。
2026年4月22日・イーロン・マスク・テスラ 2026年1〜3月期 決算説明会
マスク「Optimusはテスラ最大の製品になる」|テスラ決算説明会(2026年4月)テスラの決算説明会で、人型ロボットOptimusは「テスラ最大の製品」になると述べました。フリーモントでの生産開始は7月下旬〜8月ごろを想定し、AI半導体が足りる道筋が見えないとして、自前の半導体工場「Terafab」を作ると説明しています。
2026年3月5日・落合陽一・NewsPicks「WEEKLY OCHIAI」(ゲスト:北野宏明 ソニーCSL社長)
落合陽一、北野宏明氏と自律兵器のリスクを問う|WEEKLY OCHIAI(2026年3月)落合氏が司会を務める対談番組に、ソニーCSLの北野宏明社長を迎えた回です。落合氏は2026年が「フィジカルAI元年」とされていることを紹介し、自律兵器のリスクが新しい段階に入りつつあるという問題を提起しました。番組タイトルの「コントロールは極めて難しい」はゲストの発言です。
2026年1月28日・イーロン・マスク・テスラ 2025年10〜12月期 決算説明会(FOX系列KTVUの報道、CNBCの引用)
マスク「モデルSとXは名誉ある除隊で終える」|テスラ決算説明会(2026年1月)テスラの決算説明会で、モデルSとモデルXの生産を来期で終えると述べ、「名誉ある除隊」と表現しました。報道によると、フリーモント工場のそのラインは、年最大100万台のOptimusを作れるラインに置き換えるとしています。
2026年1月22日・イーロン・マスク・世界経済フォーラム年次総会(ダボス)。ブラックロックのラリー・フィンクCEOとの対談
マスク「AIは2030〜31年に全人類を合わせたより賢くなる」|ダボス会議(2026年1月)ダボス会議に初めて登壇し、どの人間よりも賢いAIが2026年末、遅くとも2027年末までにできるかもしれないと述べました。2030〜2031年ごろには全人類を合わせたより賢くなると予測し、人型ロボットは2027年末までに一般販売したいとしています。
2026年1月5日・ジェンスン・フアン・CES 2026 基調講演(ラスベガス)
フアン「ロボットのChatGPTの瞬間が来た」|CES 2026 基調講演(2026年1月)2026年1月のCESで、NVIDIAの発表文はフアン氏の言葉として「ロボットのChatGPTの瞬間が来た」と伝えました。ただ基調講演では「ほぼ来た」と、やや慎重な言い方で、現実世界は多様で予測しにくいという課題も認めています(Fortune)。
2025年
2025年11月19日・今井翔太・テレ東BIZ「いまからサイエンス」
今井翔太「動画生成AIはロボットの練習場になる」|テレ東BIZ いまからサイエンス(2025年11月)最新の研究を紹介する番組への出演です。今井氏は、生成AIは大量データによる事前学習の後に倫理観などを調整する段階があり、後者が自分の研究領域だと説明しました。動画生成AIは物理法則を教えなくても物理を再現するので、ロボットを仮想世界で学習させる「ワールドシミュレーター」になると述べています。
2025年11月6日・イーロン・マスク・テスラ 年次株主総会(オースティン。Yahoo Financeの報道)
マスク「テスラの新しい章ではなく、まったく新しい本だ」|テスラ株主総会(2025年11月)テスラの株主総会で、Optimus 100万台の投入などを条件にした10年間の業績連動報酬案が、75%超の賛成で承認されました。マスク氏は、これから始まるのはテスラの新しい章ではなく「まったく新しい本」だと述べています。
2025年10月28日・ジェンスン・フアン・NVIDIA GTC Washington, D.C. 基調講演
フアン「AIは道具ではない。AIは仕事そのものだ」|GTC ワシントンD.C.(2025年10月)2025年10月、ワシントンD.C.のGTC基調講演で、フアン氏は「AIは道具ではなく、仕事そのものだ」と述べ、道具からAIの働き手へ移ると表現しました。BlackwellとRubinで2026年までに累計5,000億ドルの売上が見えていると述べ、バブル懸念を退けています(Bloomberg)。
2025年10月22日・イーロン・マスク・テスラ 2025年7〜9月期 決算説明会(TechCrunchの報道)
マスク「Optimusを出すのはとてつもなく難しい」|テスラ決算説明会(2025年10月)テスラの決算説明会で、テスラはAIを現実の世界に持ち込む「重大な転換点」にいると述べました。人型ロボットOptimusを市場に出すのはとてつもなく難しい仕事だと認める一方、Optimusは「素晴らしい外科医」になるとも語っています。
2025年10月7日・今井翔太・TBS CROSS DIG with Bloomberg「1on1」
今井翔太「Gemini 3.0は確実にGPT-5を超える」|TBS CROSS DIG(2025年10月)GoogleのAIをテーマにした出演です。番組の概要欄によると、今井氏はGemini 3.0がGPT-5を確実に超えると見ており、動画生成AIに「何でもできる」兆しがあること、Googleを最強にする理由が3つあることを論点に挙げています。
2025年9月1日・イーロン・マスク・X(旧Twitter)への投稿(テスラ「マスタープラン パート4」の紹介への返信)
マスク「テスラの価値の約80%はOptimusになる」|X投稿(2025年9月)テスラの「マスタープラン パート4」(AIを物理の世界に持ち込む、という内容)を紹介した投稿に返信し、自動運転とOptimusが最大の要素で、テスラの価値の約80%は人型ロボットOptimusになると書きました。
2025年6月11日・ジェンスン・フアン・NVIDIA GTC Paris 基調講演(VivaTech会場)
フアン「やがて動くものはすべてロボットになる」|GTC Paris 基調講演(2025年6月)2025年6月、パリのGTC基調講演で、フアン氏はAIが新しい「AI産業」になったと述べ、欧州にAI工場を広げる計画を示しました。自国の言語・文化で答えるAIの意義を語り、やがて動くものはすべてロボットになると予測しています。
2025年3月18日・ジェンスン・フアン・NVIDIA GTC 2025 基調講演(サンノゼ)
フアン「たくさん買うほど稼げる」|GTC 2025 基調講演(2025年3月)2025年3月のGTC基調講演で、フアン氏は推論型AIのせいでAIに必要な計算量は以前の想定よりはるかに大きくなったと述べました。ロボットは10兆ドル規模の産業で、この10年の終わりまでに世界で少なくとも5,000万人の働き手が足りなくなるとも語っています。
2025年2月26日・ジェンスン・フアン・NVIDIA 2025年度第4四半期 決算説明会
フアン「考えるAIは100倍の計算を使うことがある」|NVIDIA決算説明会(2025年2月)2025年2月の決算説明会で、フアン氏は段階を踏んで考える推論型のAIは、これまでの一発回答型より100倍多く計算を使うことがあると述べました。いまは「エージェント型AIの時代の始まり」で、次の波は企業向けエージェント、フィジカルAI、ソブリンAIだとしています。
2025年1月6日・ジェンスン・フアン・CES 2025 基調講演(ラスベガス)
フアン「IT部門はAIエージェントの人事部になる」|CES 2025 基調講演(2025年1月)2025年1月のCES基調講演で、フアン氏は「AIエージェントの時代が来た」と宣言し、エージェントを「新しいデジタル労働力」と呼びました。将来、企業のIT部門は「AIエージェントの人事部」になると予測し、汎用ロボットの「ChatGPTの瞬間」もすぐそこだと述べています。
2024年
2024年12月27日・今井翔太・PIVOT 公式チャンネル「2025年超予測:生成AI」後編(安野貴博氏と出演)
今井翔太「ジャパニーズGAFAを出すなら今しかない」|PIVOT(2024年12月)安野貴博氏との対談で2025年の生成AIを予測した回の後編です。今井氏は、日本で育った人が世界に出るAI企業を作るべきで、「ジャパニーズGAFA」を出せるとしたら今しかないと述べました。長い目で見るとOpenAIよりGoogleが強い、との見方も示しています。
2024年11月12〜13日・ジェンスン・フアン・NVIDIA AI Summit Japan(東京)ソフトバンク孫正義氏との対談
フアン「ロボットAI革命を率いるのは日本」|AI Summit Japan(2024年11月)2024年11月、東京のNVIDIA AI Summit Japanでソフトバンクの孫正義氏と対談したフアン氏は、日本ほどメカトロニクスに強い国はなく、ロボットAI革命を率いるのに日本以上の国は思いつかないと語りました。考えて動くAIエージェントが「全員の仕事の50%」を担うようになるとも述べています。
2024年10月29日・イーロン・マスク・Future Investment Initiative(FII、リヤド)にオンライン出演(聞き手:ピーター・ディアマンディス)
マスク「AIが悪い方向に行く確率は10〜20%」|FII(リヤド)(2024年10月)サウジアラビアの投資会議FIIにオンラインで出演し、AIはたぶん素晴らしい結果になるが、10〜20%の確率で悪い方向に行くと述べました。2040年には人型ロボットの数が人間より多くなっているだろうとも予測しています。
2024年10月10日・イーロン・マスク・テスラ「We, Robot」発表会(ロサンゼルス)
マスク「Cybercabは2027年より前に生産」|We, Robot(2024年10月)テスラの発表会で、2人乗りのロボタクシー「Cybercab」を3万ドル以下で、2027年より前に生産し始めると述べました。監督なしの完全自動運転を2025年にテキサス州とカリフォルニア州で始めるとも語っています。
2024年6月13日・イーロン・マスク・テスラ 年次株主総会(Electrekの報道)
マスク「来年は工場で千台以上のOptimusが働く」|テスラ株主総会(2024年6月)テスラの株主総会で、来年(2025年)にはテスラの工場で千〜数千台の人型ロボットOptimusが働くと述べました。人型ロボットの市場は年10億台規模で、テスラは少なくともその10%を取るべきだとしています。
2024年6月2日・ジェンスン・フアン・COMPUTEX 2024 基調講演(台北)
フアン「AIの次の波はフィジカルAIだ」|COMPUTEX 2024 基調講演(2024年6月)2024年6月、台北のCOMPUTEXの基調講演で、フアン氏はAIの次の波は物理法則を理解し人と一緒に働く「フィジカルAI」だと述べました。ロボットはSFではなく台湾の工場ですでに使われていると強調し、製品の更新を年1回のペースにすることも発表しています。
2024年4月23日・イーロン・マスク・テスラ 2024年1〜3月期 決算説明会(TechCrunchの分析記事で確認)
マスク「テスラを自動車会社として見るのは間違い」|テスラ決算説明会(2024年4月)テスラの決算説明会で、テスラを単なる自動車会社として評価するのは根本的に間違った枠組みだと述べました。テスラが自動運転を解決すると信じない人は、投資家になるべきではないとも語っています。
2024年2月12日・今井翔太・ReHacQ−リハック−【公式】
今井翔太「影響を受けることと仕事がなくなることは別」|ReHacQ(2024年2月)高橋弘樹氏が聞き手の出演です。今井氏は、学歴や資格のあるホワイトカラーほど影響を受けやすいとしつつ、「影響を受ける」と「仕事がなくなる」は別だと述べました。社会への実装は政治や資本に左右されるので、数年で社会が激変するわけではないとしています。
2024年2月1日・今井翔太・PIVOT 公式チャンネル
今井翔太「5年で肉体労働のAI、10年で研究が自動化」|PIVOT(2024年2月)生成AIの5年後・10年後をテーマにした出演です。今井氏は、5年ほどで肉体労働系のAIが出てきて、研究の自動化が全分野に広がるのは10年後ぐらいと見通しました。被害を受ける人は必ず出るので、ベーシックインカム級の議論が必要だとも述べています。
2023年
2023年11月4日・今井翔太・お金のまなびば!(藤野英人×今井翔太
今井翔太「AIを使うだけでは投資で差はつかない」|お金のまなびば!(2023年11月)レオス・キャピタルワークスの藤野英人氏との対談です。今井氏は、投資でのAIの使い道として資料の要約や情報の入りにくい言語圏の調査を挙げつつ、誰もが最高性能のAIを使えるので、それだけでは差がつかないと述べました。
数字と発言は、それぞれの出典を開いて確かめたものだけを載せています。 予測は発言した人の見通しであり、そのとおりになることを保証するものではありません。 詳しくは各出典をご確認ください。
うちの会社なら、どこからAIを入れるべきか
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