中島聡の発言録
中島聡「AIネイティブ企業は人事予算を狙う」|ビジネス+IT(2026年5月)
この記事について:中島聡氏が公の場で語った内容を、社長のAIの教科書の運営者がビジネス+IT「DX&AI Forum Online 2026 春」(聞き手:松尾慎司編集長)の動画・記録を視聴し、要点を編集してまとめたものです。当サイトが中島聡氏に取材したものではありません。題や本文の「」は発言の要約で、原文どおりではありません。出典はページの下と「元の出演」にあります。
2026年春のオンライン講演で、中島氏は、AIの影響を最初に受けたのはソフトウェアエンジニアで、自分もこの1年でコードの9割以上をAIが書くようになったと述べました。AIは人が使う道具ではなく、道具を使う側に立つ存在で、少人数の「AIネイティブ」な会社がコストと速さで既存企業を滅ぼすのが本当の変化だと指摘しています。そうした会社は企業のIT予算ではなく人事予算を、成果報酬で狙ってくると見ています。
- いつ
- 2026年5月22日公開(2026年3月18日の「DX&AI Forum Online 2026 春」を再構成)
- どこで
- ビジネス+IT「DX&AI Forum Online 2026 春」(聞き手:松尾慎司編集長)(動画)
- 元の出演
- 動画を見る
- 確認
- 本人の発信・公式の記録で確認
- テーマ
- 仕事・雇用、AI企業の競争、企業の使い方、AIの値段
何を語ったか
- 2026年春、中島氏は、職種の中でAIの影響を最初に受けているのはソフトウェアエンジニアだと述べました。AIを作っているのがエンジニアで身近なこと、ソフトウェアは動かせば正しいか確かめやすいことが理由だとしています
- わずか1年前と今とで、プログラムの書き方は根本的に変わったと述べました。過去39年はプログラムを書いてきたが、ここ1年ぐらいはプログラムの大半、9割以上をAIが書いているといいます。ジュニアエンジニアを雇ったつもりで細かく指示を出すと、あとはAIが書いてくれるそうです
- インターネットや携帯電話はあくまで人間が使う道具だったが、AIは人間向けの道具を使う側に立っている、仕事そのものを置き換える存在が出てきた点が本質的な違いだ、と述べました
- 今はコードを書けるエンジニアがAIの書いたものを確かめるのが王道だが、6か月後ぐらいにはテストさえ通ればよいとAIのコードを見なくなり、コードを書けない人が指示を出してもいいものができるようになる、と予想しました
- 日本では「DX」が、本来の「デジタルの会社が既存の会社を壊すこと」ではなく「既存の会社にデジタルを取り込むこと」にすり替えられたと指摘しました。AIでも同じことが起きると見ており、本当の変化は、AIを使いこなす少人数の会社が、3000人や1万人の会社の仕事を3人とAIでやってしまうような、コストと速さで既存企業を滅ぼすことだとしています
- SaaSの会社がすべてだめになるとは思わないが、顧客の従業員1人あたりの課金に頼る形は苦しくなると述べました。自分がAIネイティブな会社を作るなら、企業のIT予算ではなく「人事予算を狙う」としています。年収500万〜800万円の営業担当の仕事をAIが年100万円で代わり、しかも売上を1億円上げたら100万円もらう、という成果報酬で売り込まれたら強い、という例を挙げました
- 結局は競争なので、どこかで「ここまではAIが安い、ここから先は人が安い」という均衡が生まれ、仕事の9割が置き換わる業界から1割の業界まで、まだら模様で進むだろうと見ています
社長にとってのポイント
中島氏の「人事予算を狙ってくる」という見立ては、自社がAIのサービスを買う側としても、売る側としても役に立ちます。買う側なら「人を1人雇う代わりにいくらで何をしてくれるのか」を比べる目を持つこと、売る側なら自社の商品を「お客様の何人分の仕事を減らせるか」で説明できないかを考えることです。既存の会社が勝つには、自分の業界にAIネイティブな会社が現れたらどう戦うかを、先に考えておく必要があります。
背景
ビジネス+ITが2026年3月18日に開いたオンライン講演を再構成した動画の前半です。後半の内容は2026年6月公開の回で取り上げています。
出典:ビジネス+ITチャンネル「【中島聡】生成AIで最初になくなるのはプログラマー / IT革命との『決定的な差』/AIネイティブ企業に淘汰される経緯」(2026年5月22日)
このページは、中島聡氏が公の場で話したり書いたりした内容を、社長のAIの教科書の運営者が確かめて要約・編集したものです。 当サイトが中島聡氏に取材したものではなく、中島聡氏やその所属先とこのサイトは関係がありません。正確な言い回しは、上の「元の出演」でご確認ください。
うちの会社なら、どこからAIを入れるべきか
社員数や業種をうかがったうえで、最初に手をつけると効果が出やすい業務と進め方をお伝えします。まだ何も決まっていなくて構いません。
無料でAI導入の相談をする