AIの図解がワンパターンだったので、19の型から選ばせた。実物を調べて分かったこと、失敗した4つのこと

2026年11月7日·長谷川 桂介
AIに図を頼むと、どれも箱に文字を並べただけになる。うちの動画の台本でも同じことが起きました。人が作った図を調べて19の型に分け、内容に合う型をAIに選ばせ、絵は決まった形で描く仕組みに変えました。どう変わったか、まだ偏っている型、失敗したことまで書きます。
結論(3行で)
- AIに「図を入れて」とだけ頼むと、箱に文字を並べた図ばかりになります。うちは人が作った図244枚を調べて19の型に整理し、内容に合う型をAIに選ばせる形にしました。
- AIが書くのは「型と中身」の1行だけで、絵は決まった形でプログラムが描きます。だから毎回、見た目がそろいます。
- 図を作り直した23本では、163枚のうち95枚が書き換わり、68枚はそのままでした。ただし、よく使う型には今も偏りがあり、図の前後の会話の直しも途中です。
「また同じような図ばかりだな…」
AIに資料や台本を作らせると、文章はそれらしくできるのに、図を見てがっかりすることがあります。四角い箱に文字が並んでいるだけで、どのページも同じ顔。説明は書いてあるのに、見ても頭に入ってきません。
うちも同じでした。YouTube「社長の資産防衛チャンネル」の台本をAIに下書きさせていたところ、2026年10月7日に、わたしは「図がいつもワンパターンだ」と感じて直しを頼みました。
そこで、図の型を先に用意し、内容に合う型をAIに選ばせる形に変えました。この記事は、資料や動画、セミナーの図をAIに頼みたい社長に向けて書いています。
この記事で手に入るもの
- AIの図がワンパターンになる理由と、直し方
- 話の内容から図の型を選ぶ早見表
- 実際に作り直した結果の数字と、まだ偏っているところ
- 失敗した4つのことと、そのまま使える頼み方の文面
うちの場合:まず、人が作った図を調べた
AIに「もっと工夫して」と言っても、何をどう工夫するのかが伝わりません。そこで、人が作った台本の図を244枚取り出して、どんな型があるのかをAIに分類させました。
すると、AIがほぼ「箱に文字を並べる」図ばかり出していたのに対して、人は表、時間軸、関係図、お金の流れ、棒グラフ、天秤などを使い分けていました。足りなかったのはAIの腕より、選べる型の数でした。
今まで
- 型は6種類文字を並べる図が中心
- 実際はほぼ4種類箱に文字を並べた図が続く
- 見た目が同じどの図も同じ顔になる
増やしたあと
- 型は19種類13種類を足した
- 内容で選ぶ比べる話、時期の話で型を変える
- 15種類に広がった作り直した24本の内訳
運営者の会社の台本。2026年10月7日の記録
図解ができるまで:AIは絵を描かず、1行だけ書く
いちばんの工夫はここです。AIに絵そのものは描かせていません。 AIが書くのは「どの型で、見出しと中身は何か」という1行だけです。絵は、その1行をもとにプログラムが決まった形で描きます。
- 話の中身を読む直後に何を話すかをAIが確かめる
- 型を選ぶ19の型から内容に合うものを選ぶ
- 1行で指定する型・見出し・中身だけを書く
- 決まった形で描くプログラムが画像にする
- 抜き取りで確かめるできた図を見て、崩れを直す
運営者の会社の仕組み。図の数は台本1本に6〜8枚
たとえるなら、AIは図の注文票を書く担当で、絵を描くのは決まった型を持つ印刷機です。こうすると見た目がそろい、見た目だけを直したいときは、AIを呼ばずに描き直せます。
19の型:話の内容で選ぶ
19の型は、次の5つのグループに分かれます。
| 話の内容 | 型 |
|---|---|
| 文字で並べたい(3種類) | 箱の一覧、番号付きの一覧、絵付きの一覧 |
| 比べたい(5種類) | 左右の比較、前と後、○×の仕分け、天秤、表 |
| 数字を見せたい(4種類) | 大きな数字1つ、棒グラフ、積み上げ棒、計算式 |
| 流れや関係を見せたい(5種類) | 手順、絵と矢印の流れ、お金の流れ、親子の関係図、時間軸 |
| 一言を強く見せたい(2種類) | 写真に赤い帯、黒地の章の扉 |
AIには、型の一覧に加えて次の決まりも渡しています。
- 1本の台本で最低6種類を使う
- 文字を並べるだけの型(箱の一覧と番号付きの一覧)は、合わせて2回まで
- 比べる話は左右の比較か前と後、数字の大小は棒グラフ、時期の話は時間軸を優先する
- 内容に合っていれば、元の図のままでもよい
最後の1つが大事です。「全部変えろ」と言うと、変えるために変な型を選びかねません。
同じ話でも、型を変えるとこう変わる
実際の税金の動画1本で、作り直す前と後を比べました。7枚で4種類だった型が、7種類になりました。
| 図にしていた話 | 作り直す前 | 作り直したあと |
|---|---|---|
| 対策の前と後の変化 | 大きな数字1つ | 前と後の比較 |
| 実行する順番 | 手順 | 時間軸 |
| 気をつける3つのパターン | 箱の一覧 | 絵付きの一覧 |
| 終わりまでの全体の流れ | 手順 | 絵と矢印の流れ |
結果:全部は変わらなかった
残りの23本も、本文を変えず図だけを作り直しました。
- 95枚163枚のうち、書き換わった図
- 68枚合っていたので、そのままだった図
- 約23分23本の合計。1本47〜82秒
2026年10月7日の実行記録。AIの費用は図の分だけを分けて測っていない
かかった費用は、図の分だけを分けて測っていません。測ったら報告します。 人が図を作っていたころと比べて何時間減ったかも、測っていないのでここには書きません。
うまくいかなかった4つのこと
- 試しに描いたら崩れた:数字の途中で改行されたり、矢印の文字がずれたりしました。全部の台本に流したあとも、登場者が2者だけのお金の流れでは矢印が短くて文字が読めず、4項目の絵付き一覧は3つと1つの2段になって座りが悪いものがありました。できた図をAIに抜き取りで見させて気づき、直してから7本を描き直しました
- 図は良くなったのに、話と合っていなかった:原稿の責任者から「スライドは誰も読み上げない。図の前で呼び込み、直後に説明する人が順に話して」と指摘がありました(10月30日)。測ると、220枚のうち図を呼び込む一言があったのは1枚だけ。40枚では、説明の前に聞き役が図を読んでいました
- 型が多くても、使う型は偏った:下の図のとおりです。天秤は1回も使われていません
- まとめて上書きする道具を、誤って動かした:図を作り直す道具は、何も付けずに動かすと全部の原稿が対象になります。11月1日に使い方を見るつもりで動かしてしまい、1本目の途中で止めました。原稿は無事で、手元の画像が作り直されただけでした。いまは試すときに、動かす前に対象を確かめるだけの指定を必ず付けます
手元にある台本データ30本・220枚を2026年11月7日に数えた。責任者が直したあとの原稿とは異なる場合がある
一方で決まりは守られています。同じ30本で、同じ型は1本の中で最大2回まででした。最低6種類に届かなかったのは2本で、どちらも図が5枚だけの台本です。
- 型の一覧を先に渡す「工夫して」だけでは伝わらない
- 図は話の直後に置く図の内容と話す順番をそろえる
- 図の前に呼び込む誰も読み上げない前提で話す
- できた図を見る抜き取りでも必ず確かめる
- 上書きの前に対象を確かめる人が直した原稿を守る
運営者の会社の決まり
まずはこれだけ:3ステップ
仕組みを作らなくても、ふだんのAIとの会話で試せます。
- 手元の図を3枚見る:自分が「分かりやすい」と思う資料の図が、比べる図か、流れの図かを確かめる
- 型を渡して選ばせる:下の文面に、話の中身を貼る
- 描かせて、人が見る:数字と文字が合っているか、自分の目で確かめる
頼み方の文面
そのまま貼って使えます。
これから渡す話の内容を図にします。まだ描かないでください。
次の型から、話ごとに合うものを選び、理由を1行で書いてください。
型:左右の比較/前と後/○×の仕分け/表/棒グラフ/計算式/手順/時間軸/お金の流れ/関係図
同じ型は2回までにしてください。合う型がなければ「図は不要」と書いてください。
選んだ型で、1枚目の図を描いてください。
見出しは14字以内、文章ではなく単語と数字で書いてください。
渡していない数字や項目は足さないでください。
この図を見ながら話す原稿を書いてください。
図の前に「この図を見てください」と呼び込み、図の上から順に1つずつ説明してください。
気をつけること
いちばん大事なのは、図の数字を人が確かめることです。とくに税金やお金の話は、図の間違いが大きな影響を持ちます。「渡していない数字は足さないで」と頼んだうえで、元の資料と見比べてください。
イラストを使うときは、使える条件も確かめます。うちで使っている「いらすとや」は、商用でも1つの制作物につき20点までで、YouTubeはサムネイルを含めて1動画20点以内です(確認日:2026年11月7日、出典:いらすとや「よくある質問」)。
もっと詳しく知りたい方へ
グラフの選び方の基本
棒・折れ線・円のグラフの使い分けは、総務省統計局の無料の解説が分かりやすいです。棒グラフは量の大小を比べる、折れ線グラフは増減の方向をみる、円グラフは全体の中の構成比をみる、と整理されています(確認日:2026年11月7日、出典:総務省統計局 なるほど統計学園「グラフの種類」)。
ふだんの会話で図を作る
Claudeの会話では、図や流れ図を「アーティファクト」(会話の横に開く、できあがったものの画面)として作れます。無料プランを含む各プランで使えますが、設定で「コードの実行とファイル作成」をオンにしておく必要があります(確認日:2026年11月7日、出典:Claude ヘルプ「What are artifacts」)。
使っている道具
仕組みは、パソコンで作業をさせる道具のClaude Codeに頼んで作りました。型を選び直す作業は、いまの設定では下位のAI(Claude Sonnet 5)に任せています。図の見た目だけを描き直すときはAIを呼ばないので、AIの費用はかかりません。
まだ終わっていないこと
- 図の前後の話し方のルールを、過去の原稿に当て終える(途中です。人が直した原稿は上書きしません)
- 使われていない型を、本当に残すか決める
- 図の分だけの費用を測る
よくある質問
Q. 画像を作るAIに、図を描かせるのではだめですか? A. うちは使っていません。数字や文字をそのまま出したい図なので、1行の指定から決まった形で描くほうにしました。画像を作るAIと比べて測ったわけではありません。
Q. 19種類も用意しないとだめですか? A. いいえ。上の文面の10種類でも十分に変わります。まず自分の資料でよく話す内容に合う型から試してください。
Q. PowerPointの資料にも使えますか? A. 型を選ぶ考え方は同じです。うちで同じ仕組みを動かしているのは動画の台本で、PowerPointの資料には試していません。
まとめ
- AIの図がワンパターンになるのは、選べる型が少ないから。人が作った図を調べて19の型にし、内容で選ばせた
- AIは「型と中身」の1行だけを書き、絵は決まった形で描く。できた図は抜き取りで確かめる
- 23本で作り直すと、163枚のうち95枚が書き換わった。型の偏りと、図の前後の話し方は、まだ直している途中
今日、まずは手元の資料を1つ選び、上の文面で「この話に合う図の型を選んで」とAIに頼んでみてください。描かせる前に型を選ばせるだけで、出てくる図が変わります。
会社全体でAIを使い始める順番はAI導入の進め方に、AIに頼む仕事の型はClaude Code活用術にまとめています。
前の記事:YouTubeの台本の下書きをAIで作る
朝起きたら、AI社員から報告が届いている会社へ
Claude Code・Slack・Obsidian・Mac miniなど14の道具の目的と費用、30日でつくる手順、そのまま使える業務レシピ12本。社員7人の会社の運営者がいま使っている構成を、無料のPDF(58ページ)でお送りします。
無料で「AIエージェント環境 完全ガイド」を受け取る社長の実践ログの記事
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