AIとの会話を「会社の記憶」に。Obsidianの第2の脳にまとめて、AIに続きから読ませる

2026年11月4日·長谷川 桂介
AIに仕事を頼むたびに、前に話したことをまた一から説明していませんか。うちはAIとの会話を要約せずに自動で残し、メモのアプリObsidianの「第2の脳」に1か所でまとめて、AIが続きから読める形にしました。中の分け方、かかった費用、つまずいたところまで紹介します。
結論(3行で)
- AIとの会話は、長くなると古い部分が要約されて消えます。うちは圧縮の直前に、会話の全文を自動で保存するようにしました。
- 保存先はメモのアプリObsidianの保管庫1つ。中を「会社」と「個人」に分け、ログ・会議・ひらめきを置く「第2の脳」にしています。
- 次の日は「〇〇の記録を読み込んで」と頼むだけで、AIが続きから始めます。費用は同期の仕組みの月8ドル相当(年払い)だけです。
「この前AIに話したこと、どこへ行ったっけ…」
AIに仕事を頼むようになると、会話がどんどん増えていきます。そして困るのが、次の日に続きをやろうとすると、また一から説明し直しになることです。
うちも同じでした。昨日決めたこと、途中でやめた理由、本人に確かめた数字。どれも前の会話の中にあるのに、新しい会話のAIは何も覚えていません。長い会話では、AIが古い部分を自動で要約して詰めるので、細かい決めごとが消えてしまうこともありました。
そこで、AIとの会話を「会社の記憶」として1か所に残し、AIが自分で読み返せる形にしました。この記事は、社員10人前後で、AIへの頼みごとが増えてきた社長に向けて書いています。
この記事で手に入るもの
- AIとの会話を、要約せずに自動で残す考え方
- 「第2の脳」の中の分け方(そのまま真似できる形)
- 次の日に、AIが続きから始められる頼み方
- かかった費用と、つまずいたところ
うちの場合:会話が増えるほど、前のことが分からなくなった
AIの会話は、会議の議事録に似ています。毎回の会議で話は進むのに、議事録を残していなければ、次の会議はまた最初からです。しかも、AIの「議事録」は放っておくと、自分で縮めて細かいところを捨ててしまいます。
今まで
- 毎回一から説明新しい会話のAIは前の話を知らない
- 決めごとが消える長い会話は古い部分が要約される
- どこにあるか不明会話の一覧が増えすぎて探せない
残したあと
- 続きから始まる「記録を読み込んで」と頼むだけ
- 全文が残る要約される前に自動で保存
- 1か所で探せる会社と個人に分けた保管庫1つ
運営者の会社で2026年10月に作った仕組み
いまは、毎朝ノートパソコンやスマホからAIに話しかけ、続きの仕事を頼んでいます。「社長のAIサイトの記録を読み込んで。今日から続きをやって」と言うだけで、AIは前回までの決めごとを読んでから動き始めます。
「第2の脳」とは:AI専用ではなく、社長の作業メモの置き場
第2の脳は、頭の中で覚えきれないことを外に置いておく場所のことです。うちでは、メモのアプリ「Obsidian(オブシディアン)」を使っています。中身はただの文章のファイルなので、人も読めますし、AIも読めます。
最初は会社用と個人用で保管庫(メモをしまう箱)を2つ作りました。でも、毎回どちらかを開き直すのが面倒で、すぐに1つにまとめ、中のフォルダで分ける形にしました。
第2の脳(Obsidianの保管庫1つ)
- 会社/ログAIとの会話の全文。仕事の種類ごとのフォルダ
- 会社/会議会議の記録
- 会社/ひらめき思いついたことの走り書き
- 個人/ログ個人の用事の会話。会社のものと混ぜない
- 案件ボード全部の案件の状態と次の一手を1枚に
会社と個人のファイルは混ぜない。フォルダを分けて守る
いまは会話の記録が約26本、保管庫全体で約59MBです。会話の記録は、サイトづくり、原稿・メルマガ、社内のAI化、経営など、仕事の種類ごとのフォルダに自動で振り分けています。
AIが会話を残すまでの流れ
会話の保存は、わたしが毎回「保存して」と言うのではなく、自動にしています。AIが長い会話を縮める直前に、そのときまでの全文を書き出す設定です。
- AIと仕事をするふだん通りに話しかける
- 縮める直前に保存要約される前の全文を書き出す
- 種類ごとに仕分けサイト・原稿・社内のAI化など
- 次の日に読ませる「〇〇の記録を読み込んで」
保存はAIの設定で自動。社長は何もしなくてよい
もう1つ大事なのは、AIが自分用に残す短いメモです。会話の全文とは別に、「決めたこと」「やってはいけないこと」「次にやること」を短く書き残させています。新しい会話のAIは、まずこの短いメモを読み、細かいところが要るときだけ全文を開きます。人でいえば、引き継ぎの申し送りと、その元になった議事録の2段構えです。
まずはこれだけ:3ステップ
いきなり自動にしなくても大丈夫です。最初は手で残すだけでも、効き目はすぐに分かります。
- メモのアプリを入れる:Obsidianは、個人で使うなら無料です(出典は下の「もっと詳しく」)
- 大事な会話を、そのまま保存する:会話の終わりに「今日の会話を、要約せずにファイルに保存して」と頼む
- 次の日に読ませる:新しい会話の最初に「昨日の記録を読み込んでから、続きをやって」と頼む
頼み方の文面
そのまま貼って使えます。
今日の会話を、要約せずにそのままファイルに保存してください。
題は「日付_何の仕事か」にしてください。
〇〇の記録を読み込んでください。
決めたこと、まだ終わっていないこと、次にやることを3行でまとめてから、続きを始めてください。
いま動いている案件を、1枚の表にまとめてください。
列は「案件名・状態・次の一手・期限」にしてください。
気をつけること
- 共有の場所に置かない社長ひとりの作業メモなので、皆が見られる場所には置かない
- お客様の情報は入れない顧客の個人情報はAIに渡さない
- 合鍵は書かないパスワードやカギは会話にも記録にも書かない
- 会社と個人を混ぜない保管庫は1つでも、フォルダで分ける
運営者の会社の決まり。会話の全文が残る分、入れるものに気をつける
会話の全文が残るということは、話したことが全部残るということです。だからこそ、置き場所と入れるものだけは先に決めておくと安心です。
いまの状況と、つまずき
正直に書くと、まだ途中のところもあります。
- 記録の置き場を2回変えた:最初は別のメモのサービスにも残していましたが、置き場が2つあると「どっちが新しいか」で迷いました。Obsidian 1本にまとめたら迷わなくなりました
- 保管庫を分けすぎた:会社用と個人用で保管庫を2つにしたら、開き直しが面倒で1つに戻しました。分けるのはフォルダで十分でした
- 大きな記録が同期できなかった:長い会話の記録は1本で5MBを超えるものがあり、同期の安いプランでは送れませんでした。そこで上のプランにしました
- 案件ボードの更新は手作業が残る:全部の案件を1枚にまとめた表は作りましたが、毎朝AIに自動で更新させるところまでは、まだできていません
いまは、AI専用に用意したMac miniにこの保管庫を移し、ノートパソコンやスマホとは同期の仕組みでつないでいます。
かかった費用と手間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Obsidian本体 | 無料(個人で使う場合) |
| 同期の仕組み | Obsidian Sync Plus。年払いで月8ドル相当(大きな記録があるため上のプランにした) |
| AI | Claudeの有料プランの中で作成(追加の料金はなし) |
| 社長の手間 | 最初に「会話を残したい」と頼み、出てきた分け方に答えただけ。いまは何もしていない |
もっと詳しく知りたい方へ
Obsidianは、文章のファイル(マークダウン)をフォルダに並べて使うメモのアプリです。個人で使うのは無料で、会社の仕事で使う場合は、1人年50ドルの商用ライセンスを買うことが勧められています(必須ではありません)。複数の端末で同じ保管庫を使うための「Obsidian Sync」は有料の追加機能です(確認日:2026年11月4日、出典:Obsidian 料金ページ)。
同期のプランは2つあります。Sync Standard は全体で1GB・1ファイル5MBまで、Sync Plus は全体で10GBから・1ファイル200MBまでです(確認日:2026年11月4日、出典:Obsidian ヘルプ「Sync のプラン」)。AIとの長い会話を全文で残すなら、1ファイルの上限に気をつけてください。
うちのAIは、パソコンで作業をさせる道具の「Claude Code」です。会話を縮める直前に自動で保存するのは、Claude Code の「フック」(決まったタイミングで決まった作業を走らせる設定)を使っています。仕組みづくりはAIに頼んで作ってもらいました。
よくある質問
Q. AIとの会話を全部残すと、量が多すぎませんか? A. 文章だけなので、思ったより小さいです。うちは約26本で保管庫全体が約59MBです。探すときは、題に日付と仕事の種類を入れておけば困りません。
Q. 会話を残すだけなら、AIのサービスの履歴で足りませんか? A. 履歴は残りますが、長い会話は途中で要約されますし、AIが自分で読みに行ける場所でもありません。自分のパソコンに全文を置くと、AIに「これを読んで」と渡せるようになります。
Q. 社員にも見せたほうがいいですか? A. うちは見せていません。社長ひとりの作業メモなので、共有の場所には置いていません。社員と共有したいことは、会社の共有の道具に別にまとめています。
まとめ
- AIとの会話は放っておくと縮められて消える。縮める直前に全文を自動で保存するようにした
- 保存先はObsidianの保管庫1つ。中を会社と個人に分け、ログ・会議・ひらめきを置く第2の脳にした
- 次の日は「記録を読み込んで」と頼むだけで、AIが続きから始める。費用は同期の月8ドル相当だけ
今日、まずはAIとの大事な会話の終わりに「今日の会話を、要約せずにファイルに保存して」と1回だけ頼んでみてください。明日その記録を読ませると、続きから話が始まる便利さが分かります。
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