生成AIの社内ルールの作り方|会社で管理できる契約にし、最初はきつめに決めて、1部署から試して広げる方法

2026年10月23日·長谷川 桂介
出典:YouTubeの解説動画4本(発信者3人)·動画の確認
社員にAIを使ってほしいが、何から決めればよいか分からない。決まりを作っても、守られているかが見えない。そんなときに、会社で管理できる契約の選び方、決まりの中身、1つの部署から試して広げる進め方と効果の測り方を、評判の解説動画から集めて見比べました。
結論(3行で)
- 社員に個人のプランで使わせると、誰が何に使っているか会社から見えなくなるので、会社で管理できる契約にし、辞めた人を誰が外すかまで決めておく必要があると話されています。
- 決まりは最初は厳しくし、社員から申請があったものを一部ずつ許可して広げていく進め方が勧められています。
- いきなり全社に入れず、1部署・1業務・少人数で1か月ほど試し、減った時間・かかった費用・見つかった危なさを測ってから広げる、という順番が紹介されています。
「AIの社内ルールを作れと言われたけれど、何から決めればいいのか分からない」
社長が「うちもAIを使おう」と言い、担当になった社員が困っている。あるいは、社長自身がどこまで決めればよいか迷っている。決まりがないと社員はかえって使わず、決まりを作っても、守られているかが見えない。そんな状態の会社は多いはずです。
この記事では、社内のAIの決まりを作り、社員に使ってもらうまでの段取りを、会社への導入を支援している人たちの動画から集めて見比べました。入れてよい情報の分け方はAIに入れてはいけない情報の決め方、答えの確かめ方はAIの答えを確かめる社内の決まりにまとめています。取り上げる動画は2024〜2026年に公開されたもので、契約の種類や機能は動画の公開時点の話です。契約するときは、必ず公式の料金ページで今の中身を確かめる必要があります。
個人のプランで使わせず、会社で管理できる契約にする
最初に決めるのは、どの契約で使うかです。いまにゅのAIプログラミング塾のいまにゅさんは、ChatGPTを会社で入れる話の中で、会社の環境に個人向けのプランは使わない、と言い切っています。社員が個人のプランで使うと、誰が何をどう使っているのかが会社から見えなくなるからです。会社が知らないうちに社員が個人で使っている状態は「シャドウAI」と呼ばれる、とも紹介しています。
会社向けのプランにしても、AIそのものが賢くなるわけではありません。増えるのは、会社が管理できることです。いまにゅさんは、会社のアカウントでそのままログインできる仕組みや、入社・退職に合わせて利用者を追加・停止する仕組みを挙げたうえで、動画の公開時点では、ビジネスプランだと辞めた人をメンバーから外すのは手作業なので、誰が外すかの担当を決めておく必要がある、と話しています。費用を見積もるときは、人数だけでなく、契約に含まれる利用量と、それを超えたときの追加の額まで確かめるよう添えています。
PIVOTの番組に出演したAI活用の発信者のうすたくさんも、情報漏れが心配だという声には、そもそも漏れて困る情報を入れないことが先で、そのうえで会社向けのプランに課金するなどの手がある、という順番で答えています。
会社の管理者が、使える機能を決める
会社で契約したAIは、管理者が機能を使わせるかどうかを決められる場合があります。PIVOTの別の番組で、グーグル・クラウド・ジャパンの中井悦司さんは、Google Workspaceでは会社の管理者が機能ごとに使わせるかどうかを設定できるので、Geminiのボタンが見当たらなければ管理者に頼んでほしい、と話しています。同じ場面で、動画の公開時点の説明として、Workspaceで使うGeminiに入れた情報を、Googleが勝手に見たり学習に使ったりすることはないとも述べています。2024年の動画です。
社内の決まりとしては、「どのAIを、どの契約で使うか」と並んで、「誰が管理者として機能のオン・オフを決めるか」を決めておくことになります。
決まりの中身は「最初は厳しく」、申請で少しずつ広げる
決まりに何を書くか。いまにゅさんは、会社で決める使い方の決まりとして、どんな仕事に使うのか、何に使ってよくて何はやめてほしいのか、誰が使えるのか、入力してよい情報は何か、を挙げています。AIを外のサービスとつなぐほど便利になる一方で危なさも上がるので、どこまでOKにするかの線も決める必要があるそうです。
線の引き方については、こう話しています。
「基本的に最初は厳しくがいい」
ゆるい決まりを後から厳しくするのは難しい。だから最初は厳しくしておき、社員から申請があったものを一部ずつ許可して広げていく、という進め方です。決まりを作って終わりではなく、社員からの「これに使いたい」を受け付ける窓口まで用意しておく、と言い換えることもできます。
いきなり全社に入れず、1部署・30日で試す
広げ方について、いまにゅさんがいちばん強く勧めているのが、小さく始めることです。1つの部署・1つの業務・少人数から始め、1か月ほどの区切りで試す。うまくいったら同じ部署のほかの人へ、次は別の部署へと広げ、そのたびに今の設定で問題がないかを確かめていく、という順番です。
試した後には、必ず確かめる項目があります。仕事の時間が減ったか、費用はどのくらいかかったか、どんな危なさが見つかったか。そのうえで、制限をもっと厳しくするか、導入しないか、別の道具にするかを決めます。
「導入したところでインパクトっていうか効果なかったら意味なくない?」
制限を厳しくしすぎて効果が出なければ、教える手間が増えただけになる、という注意です。社内に提案するときは、目的、対象者、使ってよい範囲、危なさへの備え、効果の測り方を押さえておくと進めやすい、とまとめています。
「便利さ」と「安全さ」の両方を数字で見る
効果の測り方は、会計の分野の番組でも語られています。帝京大学の山矢和輝さんとTKCの飯塚真規さんが出演したテレ東BIZの番組では、AIを使うなら、生産性と安全性の両方をきちんと測る必要があると話されています。生産性なら、どれくらい時間が減ったか。安全性なら、実際に機密の情報が漏れてしまった件数や、AIが間違った答えを返した件数。それを測り続けて、あとからバランスを見ていくことが大事だ、という考え方です。
1部署で試す1か月のあいだに、減った時間と、ひやりとした件数を記録しておく。これがあれば、広げるか、決まりを直すかを、感覚ではなく数字で決められます。社員を増やさなくても回る仕事がどれだけ増えたかを、社内で共有する材料にもなります。
社員に実際に使ってもらう工夫(ひな形にAIを埋め込む、手順を決めておく など)は、Notion AIを社内で使ってもらう方法でも取り上げています。
まとめ
- 社員に個人のプランで使わせると会社から見えなくなるので、会社で管理できる契約にし、辞めた人を誰が外すかまで決めておく必要があると話されています。上のプランでもAIが賢くなるわけではなく、増えるのは管理できることだそうです
- 会社で契約したAIは、管理者が使える機能を決められる場合があるので、管理者を誰にするかも決めておくことになります
- 決まりには、使う仕事・使ってよいこと・使える人・入れてよい情報を書き、最初は厳しくして、申請があったものを一部ずつ許可して広げる進め方が勧められています
- いきなり全社に入れず、1部署・1業務・少人数で1か月ほど試し、減った時間・かかった費用・見つかった危なさを確かめてから広げる、という順番が紹介されています
- 生産性(減った時間)と安全性(漏れた件数・間違えた件数)の両方を測り続けることが大事だと話されています
- 運営者の会社で作ったA4一枚の決まりは、社員にAIを使わせる前に決める社内ルールにまとめています
この記事は、YouTubeで公開されている解説を運営者が見比べ、自分の会社で使うために整理したものです。 教えているのは、それぞれの動画の発信者です。引用した言葉は字幕で確かめ、出典の動画をその場面から再生できるようにしています。 発信者の方とこのサイトは関係がありません。くわしい手順や最新の画面は、出典の動画でご確認ください。
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