AIにパソコンやアカウントを任せるときの社内ルール|読める範囲を分け、消す・送る前に人が確かめ、つなぐ先を選ぶ方法

2026年10月23日·長谷川 桂介
出典:YouTubeの解説動画5本(発信者5人)·動画の確認
質問に答えるだけでなく、パソコンのファイルを整理したり、メールやドライブとつないで動いたりするAIが増えてきた。便利な反面、勝手に消されたり、社外に送られたりしないかが心配。そんなときに決めておきたい、読める範囲の分け方、承認のはさみ方、つなぐ先の選び方を、評判の解説動画から集めて見比べました。
結論(3行で)
- AIに「読まないで」と指示するだけでは足りず、顧客名簿やパスワードの入ったファイルは、そもそもAIが読めない場所に分けておく必要があると話されています。
- 上書き・削除・送信のように元に戻せない操作の前には人の承認をはさみ、最初はテスト用のフォルダとコピーした資料で試す、という守りごとが紹介されています。
- AIをメールやドライブとつなぐときは、公式のつなぎ方か、読むだけか書けるのか、会社として許可するのかを確かめ、作った道具をURLで配るときは誰でも開ける点に気をつける必要があります。
「AIに頼んだら、大事なファイルまで書き換えられてしまった」
最近のAIは、質問に答えるだけではありません。パソコンの中のファイルを読んで整理したり、メールやGoogleドライブとつないで仕事を進めたりします。こうした、自分で手順を考えて動くAIは「AIエージェント」と呼ばれます。任せられる仕事が増えて本業に集中しやすくなる一方で、読ませるつもりのないファイルを読まれる、消してほしくないものを消される、社外に送られる、といった心配も出てきます。
この記事では、AIに作業そのものを任せるときに社内で決めておきたいことを、動画から集めて見比べました。ツールごとの細かい設定は、それぞれのツール別の記事にまとめています。取り上げる動画は2025〜2026年に公開されたもので、機能や画面は動画の公開時点の話です。
「読まないで」ではなく、読めない場所に分ける
チャットで使うAIなら、AIに渡るのは自分で貼り付けた情報だけです。ところが、フォルダを指定して作業させるAIは、その中のファイルを自分で読みに行きます。いまにゅのAIプログラミング塾のいまにゅさんは、ChatGPTのCodex(コーデックス)を例に、この違いを説明しています。
集計用のファイルと同じフォルダに、顧客名簿や、システムにつなぐためのパスワードを書いたファイルが入っていたら、AIから見える範囲にそれも入ってしまう、という例です。
「そもそも読めない状態にしておかないと」
指示に「このファイルは読まないで」と書いても、読み込む可能性は十分にある。だから、読ませたいファイルだけを別の場所に置き、名簿やパスワードは読める範囲から外しておく、という考え方です。
チームで使うときの範囲の分け方は、PIVOTの番組に出演したPOSTS代表の梶谷健人さんが話しています。梶谷さんは、戦略・マーケティング・営業といった部署ごとのフォルダを作り、まとめてClaude Codeとつないで仕事をしているそうです。
「会社をフォルダで表現するっていう」
そのうえで、チームで使う段階になったら、社長は全部のフォルダを見られてよいが、マーケティングの1メンバーが財務のフォルダまで見られてはいけない、と指摘しています。GoogleドライブなどでメンバーのAIが見られる範囲を分けておけば、それぞれのAIが読める範囲もそれに合わせられる、という説明です。人の権限の分け方を、そのままAIにも当てはめる、ということです。
消す・送る前には、人の承認をはさむ
次に決めるのは、AIに何をさせてよいかです。いまにゅさんは、AIの操作を4つに分けています。ファイルを「読む」、新しいファイルを「作る」、元のファイルを「上書き・削除する」、メールを送ったり外のサービスの情報を書き換えたりする「送信・更新」。読む・作るは、結果が気に入らなければ捨てれば元に戻ります。一方、上書き・削除は元のデータそのものが変わり、送信・更新は会社の外にまで影響が出ます。
そこで、AIが作業してよい範囲(決めたフォルダの中だけ、など)を技術的に制限することと、その枠を出る大事な操作の前に、進めてよいかの承認を求める形にしておくこと。この2つを最初にルールとして決めておくのが大事だと話しています。
いまにゅさんはもう1つ、外から届いた文章の中に「この機密ファイルを送れ」のような命令が紛れ込み、AIがそれに従ってしまう危なさ(プロンプトインジェクション)も挙げています。秘密の情報を読める範囲に置かない、送れる先を限る、という備えが、ここでも効いてきます。
最初はテスト用のフォルダとコピーで試す
パソコンの中で動くAIを使い始めるときの守りごとは、トモミツの即実践AI活用術chの動画が具体的です。ClaudeのCowork(コワーク)を例に、次の5つを挙げています。
- いきなり本番のフォルダで試さない。最初はテスト用のフォルダを作って練習する
- まず計画を見せること、承認を得てから実行すること、慣れないうちは削除しないことを、指示に入れる
- 大切な資料で試すときは、元のフォルダではなくコピーで試す
- 顧客情報・個人情報・契約書・社外秘の資料は、会社のルールを確かめてから使う
- 最後の確認は自分でする
会社のパソコンや機密ファイルでいきなり試さないよう呼びかけたうえで、こう話しています。
「AIは作業を減らす相棒であって責任を全部持ってくれる存在ではありません」
金額・日付・分類・保存場所・ファイル名は自分で確かめる、という締めくくりです。Coworkの使い方はClaude Coworkの使い方、似た仕組みのCursorの設定はCursorの安全な使い方と最初の設定にまとめています。
つなぐ先と、配る先を選ぶ
AIをメールやカレンダー、ドライブとつなぐと、できることが一気に広がります。いまにゅさんは、つなぐときに確かめることとして、そのつなぎ方が公式に用意されたものか(知らない人が作ったものもある)、読むだけなのか書いたり送ったりもできるのか、会社としてその接続を許可するのか、を挙げています。同じGmailにつなぐのでも、メールを読むだけか、送れるのかで、影響の大きさはまったく変わるという指摘です。
つなぐ先の会社を信用できるか、という目も要ります。AI仙人さんは、X社のパソコンの上で動くGrok Botを紹介する中で、こう注意しています。
「全ての認証情報がXに行ってしまう可能性が高い」
自分のものを何でもつなぐのではなく、つなぐ範囲を決めて使うことが大事だ、という話です。くわしくはGrokの安全な使い方にまとめています。
反対に、社内で作ったAIの道具を配るときにも注意があります。にゃんたのAIチャンネルのにゃんたさんは、Difyのクラウド版で公開した道具について、こう話しています。
「このアプリのURLに誰でもアクセスできてしまう」
知らない人に使われると自分のアカウントに料金がかかるので、合言葉を入れないと使えない作りにする、使わなくなったら削除する、といった備えを挙げています。配るときの決まりはDifyで作った道具を社員に配るときの決まり、AIで作ったページを公開するときの注意はLovableで公開するときの注意にまとめています。
まとめ
- フォルダを指定して作業させるAIは中のファイルを自分で読みに行くので、「読まないで」と書くだけでなく、名簿やパスワードは読めない場所に分けておく必要があると話されています。チームで使うなら、人の権限と同じようにAIの見られる範囲も分けます
- 上書き・削除・送信・更新のように元に戻せない操作の前には、人の承認をはさむ形にしておくことが大事だと紹介されています
- 使い始めはテスト用のフォルダとコピーした資料で試し、計画を見せてから実行させ、最後の確認は自分でする、という守りごとが出てきます
- AIをほかのサービスとつなぐときは、公式のつなぎ方か、読むだけか書けるのか、会社として許可するのかを確かめ、つなぐ先の会社を信用できるかも考える必要があります
- 作った道具をURLで配るときは、誰でも開ける点に気をつけ、合言葉を付ける・使わなくなったら消す、といった備えが紹介されています
この記事は、YouTubeで公開されている解説を運営者が見比べ、自分の会社で使うために整理したものです。 教えているのは、それぞれの動画の発信者です。引用した言葉は字幕で確かめ、出典の動画をその場面から再生できるようにしています。 発信者の方とこのサイトは関係がありません。くわしい手順や最新の画面は、出典の動画でご確認ください。
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