中小企業のAI導入率は何%? 日本と世界の調査12本を並べて分かった「実際の数字」
「AIを使っている会社」の割合は、調べ方によって20%にも86%にもなります。日本と世界の主な調査12本を、誰に聞いて何を数えた数字なのかが分かる表にまとめました。中小企業に限るといくつなのか、会社の規模でどう違うのかも見ていきます。
この数字から分かること
- 日本企業で「何らかの業務で生成AIを使っている」は86.4%。一方で「業務で活用している」と言える会社は34.5%、中小企業の「AI導入率」は20.4%
- 数字の差は、何を「使っている」と数えるかの違い。個人が使っているのか、会社として入れているのかで大きく変わる
- 中小企業に限ると、どの調査でもおおむね2〜3割
- 日本でも世界でも、会社が小さいほど導入率は低い
- 裏を返せば、中小企業はまだ「使っていない会社」が多数派。今から始めても、十分に先に出られる
調査ごとの比較表
日本の調査(8本)
| 調査名 | 発行者 | 調査時期 | 対象(規模・母数) | 何を数えたか | 数字 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和8年版 情報通信白書 | 総務省 | 2025年度調査(時期は白書に記載なし) | 企業に所属する個人(日米独中) | 自社の何らかの業務で生成AIを使っている(誰か1人でも) | 86.4% | 総務省 |
| 令和8年版 情報通信白書 | 総務省 | 2025年度調査 | 同上 | 生成AIを活用する方針がある(積極的+領域を限定) | 68.9%(中小企業58.1%) | 総務省 |
| 国内生成AI/AIエージェントの利用実態に関する法人アンケート調査 | 矢野経済研究所 | 2025年6月末〜9月初 | 国内の民間企業496社 | 生成AIを全社的に、または一部の部署で活用 | 43.4% | 矢野経済研究所 |
| 生成AIに関する企業の動向調査 | 帝国データバンク | 2026年3月 | 全国1万312社(中小・小規模を含む) | 生成AIを業務で活用している(積極的+やや) | 34.5%(中小企業32.4%) | 帝国データバンク |
| 「生成AI」大企業の約6割が組織で活用推進(企業向けインターネット調査) | 東京商工リサーチ | 2026年3〜4月 | 6,327社 | 会社として、または部門で活用を推進 | 中小企業32.3%(大企業59.1%) | 東京商工リサーチ |
| 労働経済動向調査(令和8年2月) | 厚生労働省 | 2026年2月1日現在 | 従業員30人以上の3,136事業所 | 事業所が有料で契約して導入(社員の個人利用は除く) | 31%(30〜99人は16%) | 厚生労働省 |
| 中小企業のAI等の利活用に係る実態調査 | 中小企業基盤整備機構 | 2025年11〜12月 | 中小企業1,668社 | AIを全社的に、または一部の業務で導入 | 20.4% | 中小機構 |
| 企業IT利活用動向調査2026 | JIPDEC(日本情報経済社会推進協会) | 2026年1月 | 従業員50人以上の企業1,107社 | 会社標準としてのAI活用の段階(個人利用は除く) | 「これから検討」〜「試行導入」の準備段階が60% | JIPDECの発表 |
| ユーザー企業のIT活用実態調査(2025年) | 野村総合研究所 | 2025年9月 | 売上高上位の大手企業517社 | 生成AIを導入済み | 57.7% | 野村総合研究所 |
世界の調査(4本)
| 調査名 | 発行者 | 調査時期 | 対象(規模・母数) | 何を数えたか | 数字 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| The 2026 AI Index Report | Stanford HAI | 2025年の数字 | 主に大きな組織へのアンケート | AIを何らかの形で使っている組織 | 88% | Stanford HAI |
| Business Trends and Outlook Survey | 米国勢調査局 | 2025年12月〜2026年5月 | 米国の企業(小規模を含む) | いずれかの業務でAIを使っている | 17〜20% | 米国勢調査局 |
| Use of artificial intelligence in enterprises | Eurostat(EU統計局) | 2025年 | EUの従業員10人以上の企業 | AI技術を使っている | 19.95% | Eurostat |
| Empowering Small Business | 米国商工会議所 | 時期の記載なし | 米国の小規模事業者 | 生成AIを使っている(本人の申告) | 58% | U.S. Chamber of Commerce |
出典:各調査の公表ページ。矢野経済研究所とJIPDECの数字は、2026年10月18日に発表ページを開いて確認しました。ほかは2026年10月13日に確認しています。
なぜ数字が20〜86%とばらつくのか
同じ「AIを使っている会社」でも、調査によって4倍以上の差があります。どれかが間違っているわけではなく、測っているものが違うからです。
- 誰が答えたか:総務省の86.4%は、会社に勤める個人の回答です。「うちの会社で誰かが何かに使っている」まで含むので、高く出ます。会社として答える調査(帝国データバンク、中小機構など)は低く出ます
- 何を「導入」と数えたか:「誰か1人でも使っている」(86.4%)→「活用している」(34.5%)→「全社か一部の業務で導入」(20.4%)→「お金を払って導入」(31%、30〜99人では16%)と、条件が厳しくなるほど数字は下がります
- どんな会社に聞いたか:大手企業が中心の調査(野村総合研究所の57.7%、Stanfordの88%)は高く、中小企業だけの調査(中小機構の20.4%)は低くなります
- いつ聞いたか:東京商工リサーチの調査では、中小企業の数字が半年あまりで23.4%から32.3%に上がっています。半年違えば、数字は変わります
中小企業の社長が自社と比べるなら、中小企業に限った数字(20〜32%)を見るのが実態に近いです。
日本の導入率
何らかの業務で生成AIを使っている:86.4%
86.4%
自社の何らかの業務で生成AIを使っていると答えた割合は、日本で86.4%でした。前年度の調査では55.2%だったので、1年で大きく伸びています。回答者は企業に所属する個人で、「誰かが何かに使っている」ことも含む、広い数え方です。
生成AIを活用する方針がある会社(「積極的に活用する」と「領域を限定して利用する」の合計)は68.9%で、大企業は74.0%、中小企業は58.1%でした。
出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月24日公表)/同「生成AIの活用方針等」
全社または一部の部署で活用:43.4%
43.4%
国内の民間企業496社に聞いた調査では、生成AIを「全社的に活用している」が11.3%、「一部の部署で活用している」が32.1%で、合わせて43.4%でした。1年前の調査(449社)では合わせて25.8%だったので、17.6ポイント増えています。
生成AIを活用している215社のうち、AIエージェント(目的のために自分で動くAI)を「利用中」の会社は3.3%でした。
出典:矢野経済研究所「国内生成AI/AIエージェントの利用実態に関する法人アンケート調査を実施(2026年)」(2025年12月19日公表。調査は2025年6月末〜9月初。2026年10月18日に確認)
業務で「活用している」:34.5%(中小企業は32.4%)
34.5%
会社として生成AIを業務で「活用している」と答えた企業は34.5%でした。規模別に見ると差がはっきり出ます。
| 規模 | 活用している |
|---|---|
| 大企業 | 46.5% |
| 中小企業 | 32.4% |
| 小規模企業 | 28.0% |
| 従業員1,000人超 | 63.6% |
| 従業員5人以下 | 29.6% |
業界別では、サービス業が47.8%で最も高く、建設業(26.4%)や運輸・倉庫業(27.5%)は低めでした。
出典:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」(2026年5月14日公表。全国1万312社が回答)
会社として活用を進めている:中小企業は32.3%
32.3%
「会社として」または「部門によっては」生成AIの活用を進めている企業は、大企業で59.1%、中小企業で32.3%でした。中小企業は前回(2025年夏)の23.4%から、半年あまりで8.9ポイント上がっています。
出典:東京商工リサーチ「『生成AI』大企業の約6割が組織で活用推進」(2026年4月27日公表。6,327社が回答)
中小企業のAI導入率:20.4%
20.4%
中小企業に限った国の調査では、AIを「全社的に」または「一部の業務で」導入している会社は20.4%でした。導入を検討中の会社が18.6%あります。導入した会社が使っているAIは、生成AIが82.6%で最も多くなっていました。
出典:中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月公表。中小企業1,668社が回答)
有料で導入している事業所:31%(30〜99人の会社は16%)
31%
会社としてお金を払ってAIを導入している事業所は31%でした。社員が個人で使っている場合は数えていない、厳しめの数え方です。
| 企業規模 | 導入している |
|---|---|
| 1,000人以上 | 48% |
| 300〜999人 | 27% |
| 100〜299人 | 22% |
| 30〜99人 | 16% |
業種別では、金融・保険業が64%、情報通信業が58%と高いのに対し、運輸・郵便業と医療・福祉はどちらも17%でした。
出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8年2月)」(2026年3月30日公表。従業員30人以上の3,136事業所が回答)
会社の標準としては、6割がまだ準備段階
60%
従業員50人以上の企業1,107社に、会社の標準としてAIをどこまで使っているか(社員の個人利用は除く)を聞いた調査では、「これから検討」18.2%、「検討中だが具体的な取り組みなし」19.5%、「実証実験・試行導入」22.4%で、合わせて60%がまだ準備段階でした。
出典:JIPDEC「企業IT利活用動向調査2026」AI活用編の発表(2026年3月25日公表。調査は2026年1月16〜20日。2026年10月18日に確認)
世界の導入率
世界の組織の88%がAIを使っている
88%
世界の組織のうち、AIを使っている割合は2025年に88%でした。2023年は55%です。生成AIを少なくとも1つの業務で使っている組織は70%でした。主に大きな組織を対象にしたアンケートの数字です。
出典:Stanford HAI「The 2026 AI Index Report」(2026年4月公表)
国の統計で見ると、米国は17〜20%、EUは約20%
国の統計で、すべての規模の企業を数えると、数字はぐっと下がります。
| 地域 | AIを使っている企業 | 出典 |
|---|---|---|
| 米国 | 17〜20% | 米国勢調査局(2026年5月、2025年12月〜2026年5月の回答) |
| EU(従業員10人以上) | 19.95% | Eurostat(2025年12月公表、2025年の調査) |
規模による差は世界共通
| 地域 | 小さい会社 | 大きい会社 |
|---|---|---|
| 米国 | 従業員4人以下:20%未満 | 250人以上:37% |
| EU | 10〜49人:17%/50〜249人:30.36% | 250人以上:55.03% |
出典:米国勢調査局(2026年5月26日)/Eurostat(2025年12月)
なお、米国商工会議所の調査では、米国の小規模事業者の58%が「生成AIを使っている」と答えています(2024年は40%)。本人の申告に基づく数字なので、国の統計より高く出ています。
出典:U.S. Chamber of Commerce「Empowering Small Business」(2025年8月18日)
社長にとっての意味
- 「みんなもう使っている」は、個人の利用まで数えた数字の話です。会社として仕組みに組み込めている中小企業は、まだ2〜3割です
- 小さい会社ほど導入が遅れているのは、世界共通です。つまり、中小企業の中で先に動けば、それだけで差がつきます
- 中小企業の「活用している」は半年で約9ポイント伸びています。動いた会社から順に、効果を受け取り始めています(効果の数字)
- 何から始めるかは、中小企業のAI導入の進め方にまとめています
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よくある質問
中小企業のAI導入率は何%ですか?
中小企業に限った調査では、おおむね2〜3割です。中小企業基盤整備機構の調査では、AIを全社的または一部の業務で導入している中小企業は20.4%でした。帝国データバンクの調査では、生成AIを業務で活用している中小企業は32.4%、東京商工リサーチの調査では、会社または部門で活用を推進している中小企業は32.3%です。
「日本企業の86.4%が生成AIを使っている」は本当ですか?
総務省の調査で、会社に勤める個人が「自社の何らかの業務で生成AIを使っている」と答えた割合です。誰か1人でも何かに使っていれば含まれる、広い数え方です。会社として業務で「活用している」と答えた企業は34.5%(帝国データバンク)でした。
日本の企業は海外より遅れていますか?
企業の数字は、国ごとに数え方が違うので単純には比べられません。国の統計では、米国の企業は17〜20%、EUの従業員10人以上の企業は19.95%でした。個人の利用経験では、日本は58.8%で、米国・ドイツの75.6%より低くなっています(利用率のページ)。
会社の規模でどのくらい違いますか?
帝国データバンクの調査では、生成AIを活用している会社は従業員1,000人超で63.6%、5人以下で29.6%でした。厚生労働省の調査では、有料でAIを導入している事業所は1,000人以上で48%、30〜99人で16%です。
どの業種が進んでいますか?
帝国データバンクの調査ではサービス業が47.8%で最も高く、建設業は26.4%でした。厚生労働省の調査では金融・保険業が64%、情報通信業が58%と高くなっています。
このページの数字の引用について
このページの数字や表は、出典として「社長のAIの教科書『中小企業のAI導入率は何%?』(https://kyokasho.jp/ai/data/adoption/)」と元の調査名を書いていただければ、引用・転載してかまいません。数字は、元の調査の「何を数えたか」と一緒に使ってください。
情報は2026年10月18日時点のものです。数字と発言は、それぞれの出典を開いて確かめたものだけを載せています。 予測は発言した人の見通しであり、そのとおりになることを保証するものではありません。 詳しくは各出典をご確認ください。
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