AIで仕事はなくなる? 人手不足を埋める側から見た、雇用への影響の数字
2040年の日本では、事務職が約437万人余り、AIやロボットを使いこなす人が約339万人足りなくなると国は推計しています。世界では2030年までに、なくなる仕事より生まれる仕事のほうが多いという予測もあります。雇用への影響を、予測と実績に分けて整理しました。
この数字から分かること
- 2040年の日本では、事務職が約437万人余り、AIやロボットを使いこなす人が約339万人足りない(国の推計)
- 世界では2030年までに1億7,000万の仕事が生まれ、9,200万が消える。差し引きでは7,800万人分の仕事が増える(予測)
- 日本企業で、AIを理由に5年以内に早期退職を募る可能性がある会社は3.6%。すぐに大規模な人減らしが起きる状況ではない
- 一方、米国では22〜25歳のソフト開発者の雇用が約20%減ったという実績も出ている
ここに並ぶ数字の多くは予測です。また「AIの影響を受ける」は「仕事がなくなる」という意味ではありません。
日本の見通し
2040年、事務職は余り、AIを使える人は足りない
437万人
経済産業省の推計では、2040年に職種ごとの人の過不足が次のようになります。
| 職種 | 2040年の過不足 |
|---|---|
| 事務職 | 約437万人の余剰 |
| AI・ロボット等を使いこなす人材 | 約339万人の不足 |
| 現場で働く人材 | 約260万人の不足 |
働く人の数は、約6,706万人(2022年)から約6,303万人(2040年)に減る見込みです。そのうえで、AIやロボットの活用と学び直しが進めば、全体として大きな人手不足にはならない、としています。
出典:経済産業省「2040年の就業構造推計(改訂版)」(2026年3月。十分な国内投資と産業構造の転換が進む場合の推計)
定型の書類づくりは、7割程度の企業がAIを検討
内閣府の分析では、定型的な書類作成、スケジュール調整、会計・財務・税務の業務は、すでに大部分または一部がAIに置き換わる傾向にあります。定型的な書類作成は、将来置き換えを考えている企業まで含めると、7割程度がAIの利用を検討しています。
中小企業は大企業に比べて、「置き換えない」「わからない」と答える割合が高くなっていました。
出典:内閣府「令和8年度 年次経済財政報告(経済財政白書)」(2026年7月)
企業の半数は「人の配置に影響がある」と見ている
53.4%
生成AIの活用を進めている企業のうち、53.4%が今後の人員構成に何らかの影響があると答えました。
- 業務の効率化で、社員を配置転換する可能性がある:28.9%
- 業務の効率化で、社員の総数を抑える可能性がある:16.1%
- 人員構成への影響はない:46.5%
一方、AIを理由に5年以内にホワイトカラーの早期退職を募集する可能性が「ある」企業は3.6%にとどまりました。
出典:東京商工リサーチ「『生成AI』大企業の約6割が組織で活用推進」(2026年4月27日公表)
世界の見通し
2030年までに、仕事は差し引き7,800万人分増える
7,800万
世界経済フォーラムの予測では、2025〜2030年に1億7,000万の仕事が新しく生まれ、9,200万の仕事が消えます。差し引きで7,800万人分の仕事が増えるという見通しです(AIだけでなく、すべての要因を合わせた数字)。
同じ調査で、次のような結果も出ています。
- 雇用主の40%が「AIで自動化できる仕事では人を減らす」と答えた
- 働く人のスキルの39%が、2030年までに変わるか古くなる
出典:World Economic Forum「Future of Jobs Report 2025」(2025年1月7日。55か国の雇用主1,000社以上が回答)
世界の仕事の約40%がAIの影響を受ける
IMF(国際通貨基金)は、世界の雇用の約40%がAIの影響を受けると推計しています。先進国では約60%です。ここでの「影響を受ける」は、仕事の中身が変わるという意味で、なくなるという意味ではありません。
出典:IMFブログ(2024年1月14日)
米国では6〜7%が置き換わる可能性(一時的)
ゴールドマン・サックスは、AIが広く使われた場合、米国の働く人の6〜7%が置き換わる可能性があると試算しています(前提によって3〜14%)。あわせて、その影響は一時的になりそうだとしています。
出典:Goldman Sachs Research(2025年8月13日)
すでに起きていること(実績)
約20%減
米国では、22〜25歳のソフトウェア開発者の雇用が2024年から約20%減りました。ただし、経済全体の雇用統計には、大規模な失業はまだ表れていません。
出典:Stanford HAI「The 2026 AI Index Report」(2026年4月公表)
社長にとっての意味
- 余るのは事務職、足りなくなるのはAIを使いこなせる人と現場の人。社員の配置を考えるときの、いちばんの手がかりになります
- 中小企業にとって、AIは「人を減らす道具」より人手不足を埋める道具として効きます。採用が難しい事務の仕事をAIに任せ、人は現場とお客様対応に回す、という使い方です
- 影響が先に出ているのは若手の仕事です。新人に任せていた定型業務をAIに置き換えるなら、新人に何を経験させるかもあわせて考えておく必要があります
- 第一人者たちが雇用をどう見ているかは、AI将来予測と仕事・雇用についての発言にまとめています
関連ページ
- 中小企業のAI導入の進め方
- 仕事・雇用についての発言
- 経済への影響についての発言
- AI将来予測
- AI導入の効果はどのくらい?(新人ほど効果が大きいという実験)
- 日本人の生成AI利用率は何%?
よくある質問
AIで仕事はなくなりますか?
ここに並ぶ数字の多くは予測で、「なくなる」とまでは言えません。世界経済フォーラムは、2025〜2030年に1億7,000万の仕事が生まれ、9,200万が消え、差し引き7,800万人分増えると予測しています(AI以外の要因も含む)。IMFの「世界の雇用の約40%がAIの影響を受ける」も、仕事の中身が変わるという意味です。
日本ではどの仕事が余り、どの仕事が足りなくなりますか?
経済産業省の推計では、2040年に事務職が約437万人の余剰、AI・ロボット等を使いこなす人材が約339万人の不足、現場で働く人材が約260万人の不足になります。
日本企業はAIで人を減らそうとしていますか?
東京商工リサーチの調査では、AIを理由に5年以内にホワイトカラーの早期退職を募集する可能性が「ある」企業は3.6%でした。生成AIの活用を進める企業のうち、配置転換の可能性があるのは28.9%、社員の総数を抑える可能性があるのは16.1%です。
すでに影響が出ている仕事はありますか?
米国では、22〜25歳のソフトウェア開発者の雇用が2024年から約20%減りました。ただし、経済全体の雇用統計には、大規模な失業はまだ表れていません。
このページの数字の引用について
このページの数字や表は、出典として「社長のAIの教科書『AIで仕事はなくなる?』(https://kyokasho.jp/ai/data/jobs/)」と元の調査名を書いていただければ、引用・転載してかまいません。予測の数字は、予測であることと前提条件を添えて使ってください。
情報は2026年10月18日時点のものです。数字と発言は、それぞれの出典を開いて確かめたものだけを載せています。 予測は発言した人の見通しであり、そのとおりになることを保証するものではありません。 詳しくは各出典をご確認ください。
うちの会社なら、どこからAIを入れるべきか
社員数や業種をうかがったうえで、最初に手をつけると効果が出やすい業務と進め方をお伝えします。まだ何も決まっていなくて構いません。
無料でAI導入の相談をする