週1回のメルマガ作りが「原稿番号を渡すだけ」に。1本約90円でAIが下書きまで作る方法
2026年10月7日(更新 2026年10月18日)·長谷川 桂介

この記事で手に入るもの
- 動画の原稿から、毎週のメルマガの下書きを自動で作る仕組みの作り方(7つの手順)
- 「AIに書かせる部分」と「固定にする部分」の分け方
- AIが書きすぎないようにするためのルールの文面
- Googleドキュメントで空行が倍になる問題の避け方
この記事は、運営者(社長)が2026年8月から使っているメルマガ自動化の実践記録です。
うちの会社では、YouTube「社長の資産防衛チャンネル」の動画に合わせて、毎週金曜に法人のお客様向けのメルマガを配信しています。これまでに150本以上、手で書いてきました。
いまは、AIに「2126のメルマガを作って」と原稿番号を伝えるだけで、下書きがGoogleドキュメントに置かれます。かかる費用は1本あたり約90円です。
できあがりまでの流れ
全体の流れはこうです。
動画の原稿(Googleドキュメント)
↓ AIが読む
件名と本文の「毎回変わる部分」だけをAIが書く
↓ AIがWebで事実確認
決まった型(固定の文章)にはめる
↓
メルマガの下書き(Googleドキュメント)が置かれる
私がやるのは、原稿番号を伝えることと、できあがった下書きを読むこと、動画が公開されたらURLを貼ることだけです。配信日は、何も言わなければ「次の金曜日」になるようにしてあります。
作り方7つの手順
仕組みはClaude Code(Claudeに作業を任せられる道具)に頼んで作ってもらいました。私が書いたプログラムはありません。ここでは、どういう順番で頼んだかを手順として整理します。
手順1:過去のメルマガを並べて「毎回同じ部分」と「毎回変わる部分」を分ける
最初にやったのが、これです。過去のメルマガを見比べると、きれいに2つに分かれました。
| 毎回同じ(固定) | 毎回変わる(AIが書く) |
|---|---|
| あいさつ、宛名 | 件名 |
| 動画への誘導文 | 本文 |
| 電話・相談フォームの案内 | その回のテーマを表すことば |
| 会社情報(フッター) | 動画で分かることの箇条書き3〜4個 |
| 締めのひとこと |
うちのメルマガは型が完全に決まっていたので、AIに書かせるのは右の列だけにできました。
手順2:固定の部分は「実物」から切り出す
固定の部分は、AIに書き直させるのではなく、実際に配信したメルマガから機械的に切り出してひな形にしました。
切り出したら、ひな形に元の回の中身をはめ直して、実際に配信したものと一字一句同じになるかを確かめています。ここで一致しないと、毎週少しずつ「いつもと違う」メルマガになってしまうからです。
全部をAIに書かせると、あいさつの言い回しが毎週微妙に変わったり、会社の電話番号の書き方が崩れたりします。ひとつひとつは小さなズレでも、お客様から見ると「いつもと違う」になります。変わってはいけないところは、最初からAIに触らせないのが一番確実です。
手順3:AIに守らせるルールを決める
メルマガの目的は「動画を見てもらうこと」です。そのため、AIには次のルールを渡しています。
・このメルマガの目的は、動画を見てもらうこと。手順や結論は書かない。
「何が分かるか」までを書き、続きは動画で、とする
・「バレない」「抜け穴」「裏ワザ」のような言葉は使わない
・本文は改行を除いて330〜400字。1行20〜25字で改行する
・あいさつ、宛名、動画への誘導文、問い合わせ案内は書かない(こちらで入れる)
字数は、過去に配信したメルマガの本文を実際に数えて決めました(改行を除いて329〜400字でした)。「だいたいこのくらい」ではなく、実物の数字を渡すと長さがそろいます。
最後の1行が大事です。固定の部分は書かなくていいと言っておかないと、AIは親切にあいさつ文から書き始めてしまいます。念のため、AIが書いてしまった場合に機械的に取り除く処理も入れています。ルールで禁止し、さらに後から取り除く、の二重の守りです。
手順4:事実確認は「AIが書いた部分だけ」を渡す
税金や制度の話を扱うので、AIが書いた本文を、もう一度AIにWebで調べさせて、制度の名前や数字が正しいかを確かめています。
ここでの注意点は、確認に回すのはAIが書いた部分だけにすることです。最初はメルマガの全文を渡していたのですが、確認役のAIが固定の文章まで「直して」しまったことがありました。それ以来、変わる部分だけを確認させています。
手順5:Googleドキュメントとして保存する
できあがった下書きは、決まったフォルダにGoogleドキュメントとして置かれます。文字だけのファイルも一緒に作っています。
ここが一番つまずいたところなので、後の「つまずいたところ」で詳しく書きます。
手順6:人が手で入れるところを残しておく
全部を自動にはしていません。わざと人の手を残しているのは、次の2つです。
- 動画のURL:下書きには「【ここに動画URLを貼る】」と入った状態で置かれます。動画が公開されたら、自分で貼ります。公開前の動画のURLを間違えて入れる心配がありません
- 最後の読み直し:AIの事実確認があっても、配信前には必ず自分で読みます
一方で、相談フォームのURLにつける「どの回のメルマガから来たか」の印は、配信日から自動で入るようにしました。毎週手で書き換えていた細かい作業がひとつ減りました。
手順7:「メルマガを作って」で呼び出せるようにする
最後に、Claude Codeの「スキル」という仕組みに登録しました。どの作業の途中でも、「2126のメルマガを作って」と原稿番号を伝えるだけで動きます。原稿番号の代わりに、原稿のGoogleドキュメントのURLを渡しても作れます。
費用の内訳
1本あたり約90円のうち、大半は「事実確認」の部分です。事実確認を省けば1本20円ほどで済みますが、税金や制度の話を扱うので、うちでは確認ありを標準にしています。
扱う内容が、制度や数字の出てこない話(お知らせや季節のあいさつなど)であれば、確認なしの安いほうでも十分かもしれません。
つまずいたところ
一番手こずったのは、Googleドキュメントの読み書きでした。
- 文字だけで書き出すと、空行が2倍に増えて返ってくる:Googleドキュメントを文字だけの形式で書き出すと、空の段落が2行分になって返ってきます。最初はこれに気づかず、ひな形の空行が全部倍になっていました。ドキュメントの段落を1つずつ直接読む方法に切り替えて解決しています
- Wordのファイルを変換して上げても、空行が増える:完成したものをWord形式で作ってGoogleドキュメントに変換する方法も試しましたが、こちらも空の段落が倍に増えました。最終的に、Googleドキュメントを新しく作って、そこに文章を直接書き込む方法に変えています
こういうつまずきも、自分で調べたわけではありません。「空行が倍になっている、原因を調べて直して」と頼んだだけです。おかしいと思ったら、見たままをAIに伝えるのが一番早いと感じています。
人が必ず見ておきたいところ
メルマガは会社の名前で送るものなので、AIに任せても、次のところは人が責任を持ちます。
- 中身の正しさ:事実確認はAIにもさせていますが、最後に読むのは人
- 言い切りすぎていないか:うちの場合は税務の判断。業種ごとに「言い切ってはいけないこと」があるはずです
- 法律で決まっている表示:広告や宣伝のメールには、特定電子メール法で、送信者の氏名または名称と、配信停止を受け付けるメールアドレスなどの表示が求められています(総務省の解説ページ、2026年10月18日確認)。こうした表示は固定の部分に入れておくと、AIが書き忘れたり書き換えたりする心配がありません
自分の会社で真似するなら
元になる素材が動画の原稿でなくても、同じ考え方で作れます。
- ブログの記事 → お知らせメール
- 社内の会議メモ → 社員向けの週報
- 新商品の資料 → お客様への案内文
どれも「元の素材」と「毎回同じ型」がそろっていれば、AIに任せやすい仕事です。まずは手順1の「固定と可変に分ける」だけでも、紙に書き出してみてください。それだけで、どこをAIに任せればいいかが見えてきます。
お客様向けの文面づくりに使える頼み方は、文章づくりのプロンプト集と営業のプロンプト集にまとめています。
よくある質問
Q. 配信まで自動でやっていますか? A. いいえ。AIが作るのは下書きのGoogleドキュメントまでです。読み直しと動画URLの貼り付けは自分でやっています。
Q. プログラミングの知識は必要ですか? A. 私は書いていません。手順1〜7を順にClaude Codeに頼みました。
Q. 1本90円は高くないですか? A. 事実確認を省けば約20円です。うちは税金や制度の話を扱うので、確認ありを選んでいます。扱う内容に合わせて選んでください。
Q. 文章の雰囲気がAIっぽくなりませんか? A. あいさつや締めの案内など、読み手が毎回目にする部分は実物から切り出した固定の文章なので、雰囲気は変わりません。AIが書くのは本文と件名などに限っています。
まとめ
- 毎週同じ型で作っている文書は、AIに任せやすい
- まず「毎回同じ部分」と「毎回変わる部分」を分け、固定の部分は実物から切り出す。AIには変わる部分だけを書かせる
- 「書かないでほしいこと」もルールとして渡し、書いてしまったら後から取り除く
- 事実確認は、AIが書いた部分だけを渡す
- Googleドキュメントは、文字だけで書き出すと空行が倍になる。段落を直接読み書きする
会社全体でAIを使い始める順番はAI導入の進め方に、AIを入れた会社でどのくらい効果が出ているかはAIの効果の数字にまとめています。
うちの会社なら、どこからAIを入れるべきか
社員数や業種をうかがったうえで、最初に手をつけると効果が出やすい業務と進め方をお伝えします。まだ何も決まっていなくて構いません。
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