法人カードと個人カードの違い引き落とし口座・明細・年会費・審査・社員カードを評判の動画で見比べ
2026年10月23日(更新 2026年10月24日)·長谷川 桂介
参考にした発信者:家計の味方、クレジットカードあるある、税理士河南のYouTubeチャンネル!、個人事業主チャンネル by 弥生、山田のレゾンデートル、マイベストのこれヤバ!、東チャンネル、社会保険労務士法人ローム(YouTube)
この記事について:YouTubeで公開されている解説動画を運営者が視聴し、見比べて整理したものです。当サイトが取材したものではなく、発信者の方・カード会社とこのサイトは関係がありません。「」は各動画の字幕からの短い引用で、すぐ下にその場面を示しています。
会社の支払いを個人のカードで払っていて、毎月の仕分けや精算が面倒になっていませんか。法人カード(ビジネスカード)と個人カードの違いを、引き落とし口座と明細・年会費・審査・社員カード・向いている会社の5つで、税理士やカードにくわしい発信者のYouTube動画を見比べて整理しました。
結論(3行で)
- 法人カードは会社の口座から引き落とされ、仕事の支払いだけの明細になるのがいちばんの違いだと、多くの発信者が説明しています。
- 法人カードの年会費は経費になる一方、個人カードの年会費は仕事に使う割合を説明できれば按分できる可能性がある、という個人事業主向けの解説があります。
- 中小企業向けのカードは社長個人の信用で審査されることが多く、還元率を重く見て個人カードで立て替える社長もいます。
会社の仕入れや広告費を社長個人のカードで払っていると、月末に「これは会社の分、これは家の分」と明細を一行ずつ分け、立て替えた分を会社に精算する手間が出てきます。法人カード(ビジネスカード)に変えれば楽になると聞いても、何が違うのか、年会費を払ってまで作る意味があるのかは分かりにくいところです。
そこで、税理士・会計ソフトの会社のチャンネル・カードにくわしい発信者などの動画を見比べ、法人カードと個人カードの違いについての説明をまとめました。カードの条件は動画の公開時点のもので、その後変わっている可能性があります。
いちばんの違いは「引き落とし口座」と「明細が分かれること」
家計の味方は、法人カードを法人名義か個人事業主の名義で作るカードと説明し、支払い口座に法人口座を指定できることを大きな特徴に挙げています(2025年5月公開)。仕事の支払いを1枚にまとめれば明細がそのまま帳簿代わりになり、freee・マネーフォワード・弥生などの会計ソフトと連携すれば、支払い先・日付・金額が自動で仕訳に入る、という流れも紹介しています。
クレジットカードあるあるの佐藤雄一さんは、口座のひも付けをもっとはっきり分けて説明しています(2026年3月公開)。法人カードは法人口座にひも付くもので、個人カードは個人の口座にひも付く、という整理です。そのうえで、中小企業だから法人カードを作らなければいけない決まりはなく、個人カードで払って会社に立て替え精算する形でもよい、と話しています。佐藤さん自身も最初はそうしていたものの、分けるのが面倒になって法人カードを法人口座と連携させるようにした、とのことです。
一方で、明細があれば領収書がいらなくなるわけではない、と注意しているのが税理士の河南さんです(2024年6月公開、個人事業主向けの解説)。領収書をもらえなかったときはカードの明細でも経費にできるものの、証拠としての力は領収書より弱く、領収書がある場合は保管するのが基本だと説明しています。
「レシート領収書と比較すると証拠能力は低いです」
河南さんはあわせて、カードの明細はインボイス(適格請求書)としては認められず、消費税の計算の証拠には使えない点にも触れています。明細で楽になるのは「いつ・どこで・いくら」をつかむところまでで、領収書や請求書の保管は別に続く、ということになります。
年会費が経費になるかどうか
会計ソフトの弥生が運営する個人事業主チャンネルは、クレジットカードの年会費が経費になるかという質問に答えています(2024年8月公開)。法人カードについては次のように説明しています。
「その名の通り事業用のカードなので全額経費になります」
個人カードについては、仕事で使う割合をはっきり説明できれば、その分を家事按分(仕事とプライベートの割合で分けること)して年会費を経費にできる可能性がある、という説明です。そのためにも、個人カードを仕事に使うなら仕事用とプライベート用を完全に分けておくことが大切だと話しています。この動画は個人事業主向けで、会社の社長が個人名義で持つカードの年会費をどう扱うかまで説明した動画は、今回集めた中にはありませんでした。
山田のレゾンデートルの山田さんも、アメックスのビジネスカードを解説した動画で、年会費は高めだとしたうえで、経費として計上できると補足しています(2023年8月公開)。同じ動画では、同じブランドでもビジネス用には企業情報の検索や福利厚生などの会社向けの特典が付き、個人用には家族カードの条件など私生活向けの良さがある、と比べています。特典や年会費の中身は公開から2年以上たっているので、変わっている可能性があります。
審査は「会社」より「社長個人」を見ることが多い
起業したばかりで決算書もない会社が作れるのか、という不安には、複数の発信者が同じような答えをしています。
佐藤さんは、決算書を出して申し込む大企業向けのコーポレートカードと違い、中小企業向けのビジネスカードは個人の信用で審査されるのが基本だと説明しています。起業したてのころは決算書もなく、いくら稼ぐかも分からないので、まずは個人の枠だと考えればよい、という話です。
「基本的には法人の与信ではなく個人の与信になってるんですね」
マイベストの番組に出演したクレジットカードにくわしい菊地崇仁さんも、カードによって審査の見方が違うと話しています(2025年12月公開)。法人として審査するタイプのカードは立ち上げたばかりの会社には作りにくく、個人の審査で申し込めるタイプのほうが使い勝手はよい、という見方です。
社員にカードを持たせられる
個人カードで追加できるのは基本的に家族カードですが、法人カードでは社員用のカード(従業員カード・追加カード)を出せる、という点は多くの発信者が挙げています。
家計の味方は、追加カードがあれば社員が立て替えずに経費を払え、管理する側で利用枠や使える範囲を決めたり、どの社員がいつ何に使ったかを明細で確かめたりできるので、不正利用や経費の使いすぎ、二重の精算を防ぐことにもつながると説明しています。
佐藤さんも、社員の立て替え払いや経理の精算・振り込みの手間が減ることを法人カードの利点に挙げています。菊地さんは、社員が増えてきたときに配るカードを何枚出せるかが、法人カードを選ぶうえで大事になってくると話しています。
法人カードを作る会社、個人カードのままの会社
どちらが向いているかは、発信者によって重きの置き方が違います。
菊地さんは、個人カードと法人カードでは見るところが違うと話しています。
「個人カードだったらやっぱお得っていうのがメインですけど」
法人カードでは、経費の精算が楽になるかどうかも見る必要がある、という続きです。同じ番組でマイベストの大島さんも、法人カードは還元率よりも、社員の数や会社の規模、使う場面に見合うかを重く見て選ぶのが大事だと話しています。
これに対して、ポイントの還元率を重く見て個人カードを使う社長もいます。佐藤さんは、法人カードのポイント還元率はあまり高くなく、0.5%から高くても1.0%ほどだとして(2026年3月公開時点)、個人カードと組み合わせるのがよいという考えです。東チャンネルの東さんは、ホテルのポイントがたまる個人カードを仕事に使う場合について、こう話しています(2024年12月公開)。
「個人で一旦経費を立て替え仕事上で使うんだったらポイントいいのかな」
東さんは続けて、そのカードを個人の旅行に使うのは、厳密には税務上よくないこともあると付け加えています。
社会保険労務士法人ロームの真木さんは、個人カードには還元率が3%を超えるものもあり(2023年5月公開時点)、個人カードで経費を払い、引き落としを法人の口座にしている社長もいると紹介しています。ただ真木さん自身はそこまではしておらず、個人カードで立て替えて会社から精算してもらう形にしているそうです。個人カードを法人の口座にひも付けられるかについては、佐藤さんは「できない」と説明しており、発信者の間で話が分かれています。
会社の支払いでたまったポイントを社長個人が使うときの考え方は、税理士の説明をまとめた会社のポイントを社長が使うときの税金で取り上げています。
まとめ
- 法人カードは会社の口座から引き落とされ、仕事の支払いだけの明細になるので、仕分けと精算の手間が減ると複数の発信者が説明しています
- ただし明細の証拠としての力は領収書より弱く、領収書の保管は基本として続く、と税理士の河南さんは注意しています
- 法人カードの年会費は全額経費になる一方、個人カードは仕事に使う割合を説明できれば按分できる可能性がある、と個人事業主向けに解説されています
- 中小企業向けのビジネスカードは社長個人の信用で審査されるのが基本で、社員用のカードを出せることも個人カードにない点として挙げられています
- 管理のしやすさを取って法人カードにするか、還元率を取って個人カードで立て替えるかは、発信者の間でも考え方が分かれています